【JTBとHISの違い】を徹底比較!強み・弱みや将来性・方針は?【企業分析】

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JTBとHIS

旅行業界は就活生にとても人気ですが,JTBとHISの違いとは何なのか.
把握しておきましょう!

それぞれの詳細はこちらから.
JTB
HIS

こちらで書いた内容を簡易的にまとめて,各社の比較を行います.
以下を先に読んで,気になった企業のページを見に行くと良いと思います.

設立

JTB:1963年
HIS:1980年
JTBは財団法人である日本交通公社の営業部門が分離・民営化した会社で,日本で初めに旅行業を手掛けていた会社です.一方で,HISはベンチャー企業的にスタートした民営会社です.ちなみにJTBは株式会社ですが,上場していません(そのためあまり資料が公表されていない).HISは上場しています.

売上高

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普段利用しているだけだとJTBとHISは同格かむしろHISのほうが強いイメージがありますが,実は全く異なります.2017年度において
JTB:1兆3229億円
HIS:6060億円
JTBがHISの2倍以上の規模を誇ります.意外ですね.傾向としてはJTBが横ばい,HISが上昇傾向にあります.主な理由としては以下のようになります.JTBは国内旅行に強く圧倒的な地位を築いていますが,近年はオンライン旅行代理店「エクスペディア」や「楽天トラベル」が急成長しており,シェアを徐々に奪われる形になっています.国内旅行は海外旅行に比べて不安が少ないので,店舗にわざわざ赴かずオンラインで簡単に済ます人が多く,オンライン旅行代理店の影響が顕著となっています.また国内旅行自体が人口減少期に入って頭打ちになりつつあることも理由として挙げられます.一方で,HISは設立以来,国内旅行に強いJTBとの事業の差別化を図る目的で海外旅行に焦点を当ててきました.その結果,オンライン旅行代理店の影響をそこまで受けず(ベンチャー気質もあるのでオンライン対応もある程度上手くいっていた),また,海外旅行が順調に推移したことから,現在のようにHISは売上高を年々高めていけています.

営業利益

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営業利益は2017年度において
JTB:51億円(営業利益率0.3%)
HIS:159億円(営業利益率2.6%)
HISのほうが高くなっています.また営業利益率もHISのほうが高いです.とはいっても,営業利益率は他業種と比較するとかなり低調に推移しています.メーカー平均が5%,IT系だと10%以上です.それだけ旅行事業が薄利多売ビジネスであることが分かりますね.なぜHISのほうが利益率が高いのか?それは旅行事業自体の営業利益率の低さを考慮して安定的な成長を遂げるために,HISが事業の多角化を行ってきたからです.例えば,実はハウステンボスグループを運営しているのはHISです(2010年に買収).2017年度で言えば,営業利益のうち約50%にあたる76億円をハウステンボスが稼ぎだしています.その他にもホテル事業や新規事業(ロボット,電力)に取り組んでいます.一方で,JTBは基本的に旅行事業しか行っていません.また,国内旅行に比べて海外旅行のほうが利益率が高い,国内旅行はオンライン旅行代理店との価格競争激化してきていること,も理由として挙げられますね.いずれにしろ,旅行事業自体の営業利益率は両社とも低いのが実情です.
また,近年の傾向としては,HISが増加傾向,JTBが下降傾向にあります.JTBは設備投資を積極的に行っていることもあって尚更少なくなってきています.

純利益

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純利益は2017年度において
JTB:10億円
HIS:132億円
HISのほうが多いです.とはいっても,前年度はHISが為替変動,テロの影響で2億円しか純利益を出せていませんが.傾向としては,JTBは下降傾向,HISは上昇傾向にありますね.

旅行事業の違い

【国内旅行】JTB:5751億円,HIS:587億円
【海外旅行】JTB:4627億円,HIS:3277億円
【訪日旅行】JTB:679億円,HIS:159億円
【海外顧客旅行】JTB:823億円,HIS:1615億円
(JTBは*1より引用)
(HISの海外旅行は正確な値がなかったので,旅行事業売上高から,国内・訪日・海外顧客の売上高を減算することで計上.)
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このように表にしてみると,まだまだJTBが日本向けでは圧倒的であることが分かりますね.HISが海外旅行に強みがあるといっても,まだ売上高はJTBのほうが高いのです.一方で,海外顧客向けはHISが多いことが分かります.これはHISが積極的に海外進出を果たしてきた成果が合われていると言えるでしょう.また,構成比の話をすれば,JTBは国内5割,海外4割,その他1割といった構成で,バランス型です.一方でHISは国内1割,海外5割,その他4割といった構成で,海外に偏重しています.

旅行事業の展開都市の違い

JTBがいかんせん正確な情報を提供していくれていないのですが,拠点数で比較します.
【欧州】JTB:65 HIS:44.JTBが優位
【アジア・オセアニア】JTB:358(国内?) HIS:415(国内283).HISが優位.JTBは国内が300以上あると思われるので,尚更日本以外のアジアではHIS.
【南北アメリカ】JTB:85 HIS:82.互角
【中近東・アフリカ】JTB:0 HIS:15.HIS有利
という結果になりました.まとめると,欧州でJTBが優位,南北アメリカは互角,他はHISが優位です.

その他事業の違い

JTB→商社や出版を取り扱っています.総売上高に占める割合は微々たるもの.
HIS→ハウステンボスグループ,ホテル事業,新規事業(ロボット,電力,都市開発)を取り扱っています.総売上高の1割程度.

強み・弱み

JTBの強み

  • 旅行取扱額が群を抜いてNo.1

JTBの旅行取扱額は1兆7044億円であり,2位の楽天6101億円から大きく引き離しています(HISは4876億円.海外顧客事業が除かれているので低くなっています).またセグメント別にみても,海外旅行,外国人旅行,国内旅行すべてでトップの取扱高を誇っています.
*2

  • 39カ国・地域,143都市,508拠点のグローバルネットワーク
  • 日本での圧倒的なプレゼンス

JTBの弱み

  • オンライン旅行代理店の台頭によるシェア停滞

近年は特に個人旅行において,オンライン旅行代理店が幅を利かせており,総取扱額の増加率ほどJTBは自社の取扱額を増加できていません.

HISの強み

  • 進出国数No.1

71カ国305都市に展開しており,これは世界の旅行業者の中でNo.1となっています.

  • 高い営業利益率

JTBや日本旅行など他の旅行事業者よりも高い営業利益率をたたき出しています.効率的な運営を行える経営力があることを示しています.また,ハウステンボスグループの存在が大きいですね.

  • 海外現地法人売上高1位

海外顧客を対象とした,日本以外の旅行事業での売上はHISがトップとなります.進出国数No.1が強みであることを活かして,今後活発化するグローバル事業に焦点を当てています.

  • 高い成長率

JTBは近年横ばいの成長を続けていますが,HISは年々売上高を伸ばしており,高い成長率を有しています.

HISの弱み

  • 国内旅行に弱み

国内旅行はJTB,楽天が牛耳っており,入り込むことができていません.もっともJTBと差別化する目的で海外旅行に焦点を当てているので,国内旅行を積極的に伸ばしていこうという気概はありませんが

  • 年収が低いことからの優秀層の取り逃し.

有価証券報告書によると413万円.JTBは500万超.この差は決して小さくないと思います.海外旅行に強みがあるので,採用段階ではやりがいを重視した優秀層を集めていると思いますが,数年働き始めたあとで結婚を意識し始めた場合,やっぱり給料は大事だとなることが多々あります.そうなった場合,JTBや他企業への転職という道をたどることになり,優秀層が一定数抜けてしまいます.ここはさすがにもう少し改善したほうが良いと思います.

将来性

JTB

店舗型の旅行予約は徐々に縮小していく中で,いかにオンラインへの移行を推進していくかが重要になってきます.現在最大規模の旅行取扱高を誇っているうちに,顧客に対して便利なデジタルソリューションや魅力的なパッケージを提供し,JTBのオンラインビジネスを利用してもらう必要があります.ここがうまくいくかが正念場でしょう.ただし,旅行代理店の中では間違いなく安定性があり,潰れることはまずないでしょう.実際の店舗を有し,オンライン企業では実行できないパッケージを提供できる強みがあるので,シェアは取られても,高利益部分は獲得できる見込み.

HIS

将来性はあると思います.海外事業に目を向けており,今後人口が減少していく日本でも安定的に利益を稼げる地盤を築けていると思います.また,「変なホテル」や「無人島開発」など斬新な試みが複数なされており,旧態依然とした体制を脱却しようとする意気込みを感じます.個人的にはJTBよりHISのほうが将来性があると推測します.今後10年でJTBと売上高で拮抗するレベルになるのではないでしょうか?

勤務地

どちらも同じです.
総合職とエリア総合職を選択できます.エリア総合職はそのエリアからの転勤はなしですが,総合職は全国転勤ありとなっています.

年収

JTB

(有価証券報告書がないので正確ではありませんが)500~600万円

HIS

413万円

まとめ

いかがだったでしょうか?
おおよそのJALとANAの違いがつかめたかと思います.個人的な意見がかなり入っているので,気になった点は人事やOBOGに質問して,納得できる会社を選びましょう.
なお,参考文献は以下のページ書いてありますので,そちらから参照してください.

より詳しく知りたい企業があればこちらからどうぞ.
JTB
HIS

旅行業界以外の企業はこちらから.
www.atoq.tokyo

*1:トラベルボイス 観光産業ニュース 「JTB連結決算、2017年度は積極的な先行投資で増収減益、増収分は海外M&Aが奏効」

*2:国土交通省 観光庁 平成29年度主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計(速報)より