【JTBの今後と将来性】オンライン旅行代理店に対抗できるか【企業分析】

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株式会社JTB

旅行代理店として最も有名なJTB

就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!

JTBとは?

創業:1963年
売上高:1兆3230億円
従業員数:29,153人(連結)
本社:東京都品川区

株式会社ですが,実は上場していません

勤務地

総合職の勤務地は原則最初は東京に配属され,その後は転勤があります.
基幹職はエリアを選択でき,転勤はありません.

事業情報

以下のグラフは特記していない限り「JTB GROUP PROFILE」より引用しています.
(エクセルは資料に基づき作製したオリジナルです.)

JTBの売上高・営業利益推移は以下のようになっています.
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売上高はほぼ横ばいと言っていいでしょう.旅行産業自体は特に訪日客の増加に伴って盛り上がりを見せていますが,JTBはその波に乗り切れていません.というのも,オンライン旅行代理店「エクスペディア」や「DeNAトラベル」などが台頭してきており,こちらにシェアを奪われている形になっています.また,営業利益推移は以下のようになっています.
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営業利益は大きな波がありますね.2009年度はリーマンショックによって旅行の頻度が落ち込み赤字となりました.それ以降は持ち直してきたものの,またここ数年で落ち込み始めています.これは上記と同様に,急速なオンライン旅行代理店へのシフトと積極的な設備投資が理由として挙げられます.また,個人的に驚いたことですが,営業利益率は1%前後しかありません.メーカーでは5%が平均と言われていることを考えると,非常に低いです.確かに旅行って自分で同じプランを組んだとしても同じかほんの少し高いぐらいの値段になるので,相当な薄利多売ビジネスなのですね.また,純利益推移は以下のようになっています.
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営業利益とほぼ同様の動きをしていますね.なんとか近年は赤字にならずに済んでいますが,来年度からが不安になる傾向ですね.持ちこたえられるか正念場です.


JTBは以下の事業を行っており,その構成比は以下のようになっています.
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国内個人事業が売上高の50%を占めていることが分かりますね.また,日本人を対象とした旅行サービスの割合は81%,外国人向けは12%とまだまだ日本人依存であることが分かります.なお,以降で掲載するグラフはセグメント区分が変わったので2015年以降のものを掲載します.

国内個人事業

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国内の個人を対象とした旅行事業を取り扱っています.皆さんが一番に思い浮かぶJTBの業務ですね.店頭販売,提携販売,コールセンター,Web販売など販売チャネルを多角化を行っています.売上高自体は減少傾向にあります.これはやはりオンライン旅行代理店の台頭によって,徐々にシェアを奪われているためですね.また,営業利益も非常に低く基本的に1%前後で推移しています.

国内法人事業

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国内の法人を対象とした旅行事業などを取り扱っています.具体的には,旅行事業(社員旅行,視察・研修旅行など),地域交流事業(観光コンテンツの発掘・創出によって地方への観光客を誘客するソリューションの提供など),コミュニケーション事業(ミーティングや会議の設定,ビジネスイベント,国際会議の運営など),総務系ソリューション事業(出張手配や福利厚生代行サービスなど)を行っています.売上高は横ばいになっています.また,営業利益も横ばいとなっていますが,営業利益は130億円前後あり,営業利益率は3%あり国内個人事業よりも格段に収益性が高いです.

グローバル事業

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海外の顧客を対象とした旅行事業を取り扱っています.売上高は増加傾向にあるものの,営業赤字に陥っています.これはまだ海外での認知度が小さく,ブランドの普及段階にあるためです.今後知名度が上昇するにつれて徐々に営業利益が発生するようになってくるでしょう.訪日客は現在で3000万人,2020年で4000万人に到達すると見込まれており,ここでの需要を獲得できれば売上高は順調な伸びをしていきます.オンライン旅行代理店に負けないサービス力が大事になってくるでしょう.

シナジー事業,プラットフォーム事業

シナジー事業は商事や出版等の事業を取り扱っています.プラットフォーム事業は他事業のプラットフォームを担うシステムや不動産管理等の事業を取り扱っています.売上高的にも重要なポジションではないので,グラフは省略します.

JTBの強み

  • 旅行取扱額が群を抜いてNo.1

JTBの旅行取扱額は1兆7044億円であり,2位の楽天6101億円から大きく引き離しています.またセグメント別にみても,海外旅行,外国人旅行,国内旅行すべてでトップの取扱高を誇っています.
*1

  • 39カ国・地域,143都市,508拠点のグローバルネットワーク
  • 日本での圧倒的なプレゼンス

JTBの弱み

  • オンライン旅行代理店の台頭によるシェア停滞

近年は特に個人旅行において,オンライン旅行代理店が幅を利かせており,総取扱額の増加率ほどJTBは自社の取扱額を増加できていません.

JTBの今後

今後の施策

  • デジタル化の推進
  • JTBならではのソリューションを提供する
  • 分社化した15社を再び傘下に置く.

キーポイント

  • デジタル化の推進

デジタル化の推進は欠かせません.今後ますます手軽なオンライン旅行代理店が幅を利かせてくると推測されており,JTBも競合していく必要があります.オンライン提供の中でも,JTBが持つ地に足のついたネットワークを活かして,魅力的なパッケージを提供できれば今からでも十分に戦っていけます.

JTBは就職先としてあり?なし?

  • 勤務地

総合職の勤務地は原則最初は東京に配属され,その後は転勤があります.
基幹職はエリアを選択でき,転勤はありません.

  • 将来性

店舗型の旅行予約は徐々に縮小していく中で,いかにオンラインへの移行を推進していくかが重要になってきます.現在最大規模の旅行取扱高を誇っているうちに,顧客に対して便利なデジタルソリューションや魅力的なパッケージを提供し,JTBのオンラインビジネスを利用してもらう必要があります.ここがうまくいくかが正念場でしょう.ただし,旅行代理店の中では間違いなく将来性があり,潰れることはまずないでしょう.実際の店舗を有し,オンライン企業では実行できないパッケージを提供できる強みがあるので,シェアは取られても,高利益部分は獲得できる見込み.

  • 年収

500万円前後.

旅行代理店の比較でいえば,
特に他の旅行代理店にこだわりがない方にはありかと思います.
JTBでできなくて,他の代理店でできることはほとんどないので,とりあえずJTBを選べばよいと思います.規模は日本最大であり,日本人全員に影響を与えられるやりがいは大きいでしょう.

以上ご参考になれば.

他の企業はこちらから.
www.atoq.tokyo

*1:国土交通省 観光庁 平成29年度主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計(速報)より