【NECの今後と将来性】リストラの嵐から立ち直る見通しはあるのか【企業分析】

スポンサーリンク

スポンサーリンク

正式名称は日本電気株式会社

最近なんとなく影が薄いように感じますが,

就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!

NECとは?

創業:1899年
売上高:2兆8444億円
従業員数:109,390人(連結)
本社:東京

勤務地

勤務地は基本的に東京近郊になります.
事業所→東京(府中),神奈川(川崎,相模原),千葉(我孫子)
研究所→神奈川(川崎,相模原),千葉(つくば)
我孫子,つくばが離れてるものの,基本的に川崎エリアに集中しています.

事業情報

以下のグラフは特記していない限り「統合レポート 2018」より引用しています.

NECの売上高・営業利益推移は以下のようになっています.
f:id:k-true:20180929135925p:plain
2016年が二つあるのは,2016年以降は国際財務報告基準に変更されたためです.
売上高は低下傾向にあることが分かります.実は2001年には5.4兆円もありました.ようやく2017年で下げ止まり,2018年で回復しましたがこれからV字回復を遂げられるのかが見所ですね.これまでの売上高の低下傾向は主に不採算事業の売却を行ってきたためです.2011にNECエレクトロニクスを,2012年にコンシューマPC事業を持分法適用会社化(財務諸表の合算がなくなる)し,2014年にNECモバイリング・NECビッグローブを売却しています.
営業利益もだいたいは売上高と同様に推移していることが分かります.また,営業利益率が2.3%が程度しかなく,他の電機メーカーに比べて非常に低い水準となっています.メーカーの平均営業利益が5%と言われており,また,営業利益が高いと言われる情報産業を組み合わせているNECなら本来はもっと高くて良いはずです.調子が良くないことが分かります.


NECは以下のような事業を行っており,比率は次のようになっています.
f:id:k-true:20180929142008p:plain

  • パブリック事業

f:id:k-true:20180929142242p:plain
政府・官公庁・地方公共団体,公共機関向けにシステムインテグレーションやサポート,アウトソーシングを提供しています.NECで最も収益を上げている事業です.今後,政府主導による街のスマート化が行われていく予定ですので,今後も安定的な事業運営ができると見込まれます.日本航空電子工業を買収したことにより,売上高は大幅に上昇しています.

  • エンタープライズ事業

f:id:k-true:20180929143459p:plain
企業や民間に向けたシステムインテグレーションやサポート,アウトソーシングを提供しています.安定した売上高を維持していますが,設備投資がかさんだ影響で営業利益は減少傾向にあります.今後,民間企業でのスマート化需要は上昇傾向にあり,どれだけのシェアを獲得していけるかでこの分野の成長度合いは変わってきそうです.

  • ネットワークサービス事業

f:id:k-true:20180929143919p:plain
ネットワークインフラに関連する設備,システムインテグレーション,サービスマネージメントを提供しています.4G需要が一段落したこともあり,売上高は減少していますが,5G需要が上昇し始めれば同様に売上高も増加する見通しです.あらゆる製品がコネクティッドされていく時代ですので,この分野の需要はますます高まっていきます.

  • システムプラットフォーム事業

f:id:k-true:20180929144450p:plain
ハードウェア(サーバやスーパーコンピュータなど)やソフトウェア(統合運用管理,セキュリティ)などシステムの基幹部分を提供しています.IT活用の需要が上昇しているので,今後期待できます.

  • グローバル事業

f:id:k-true:20180929144919p:plain
NECのグローバル事業を提供しています.現状としては営業利益を出すことができていないお荷物ですが,今後重要なポジションを占めてくるのは間違いありません.NECの今の海外売上比率は26%と他の電機メーカーに比較して非常に低く,まだまだ成長の余地は残されています.2019年には営業利益がようやく赤字でなくなる予想がなされています.

NECの強み

  • ITサービスベンダー大手,特に官公庁に強い

NECはITサービスベンダー大手であり,そのシェアは富士通に続いて第2位につけています.その中でも官公庁に強いとされています.

  • 動画顔認証技術が世界一

これすごいですよね.あまりITの最先端分野で日本企業が一番になるってなかなかないと思うのですが,なんとNECは動画顔認証技術が世界一位,それも4回連続です.
急速な都市化に伴ってセキュリティ需要は増加しており,その活躍の場面は携帯のロックや街の監視,空港の入退場における顔認証など多岐にわたっています.まだ顔認証自体の市場規模は300億円程度と少ないものの,急速な伸びが予想されます.
*1
個人的な予想では2030年には数千億円規模の市場になると思います.したがって,この世界一の技術をどれだけ維持し,かつ,うまくマーケティングするかが重要になってきます.

  • 国内IAサーバ市場でトップシェア

20年連続でIAサーバ市場においてシェア1位を獲得しています.

  • 軍事関係に強い

国内での軍事需要においては,三菱重工業,川崎重工業に次ぐシェア3位に位置付けています.
やはり国とのつながりが強いので,こういった分野でも強みを持っていますね.

NECの弱み

  • 海外売上比率が低い

海外売上比率26%と低いので,今後どのように伸ばしていくかが重要になってきます.

  • 人員削減に伴う士気低下

2001年に4000人,2002年に2000人,2012人に1万人,さらに今回3000人削減を実行しようとしています.
ハードウェア,間接部門の人員を徹底的に削減しています
主にハードウェア事業での不振だったとはいえ,ハードに引っ張られてソフトウェアの人たちもボーナスを削られたり,周りがリストラされたりと,社内全体で雰囲気が良いとは言えません.正直売りつくしたので,今後さらに削減が行われることはないと思いますが,優秀な人材が見切りをつけて出ていった可能性があると考えると楽観視はできません.

NECの今後

中期経営計画から見る今後の施策

  • セーフティ分野の拡大
  • サプライチェーンのスマート化
  • コネクティッドカーへの事業展開
  • グローバル事業の専任体制化
  • M&Aの実施

などを実行していくようです.

キーポイント

  • M&Aの実施

2000億円を上限に顔認証などセキュリティー関連の強化や海外市場の開拓につなげていくようです.このうち700億円はすでに海外市場の開拓の一環としてイギリスのNorthgateを買収しています.

  • セーフティ分野の拡大

世界一の動画顔認証技術を有しているのだからこれを活かしていかない訳にいきません.セーフティ事業は「Public safety」「Digital Goverment」の2つを指しています.「public safety」は犯罪捜査,出入国管理,空港での使用を想定,「Digital Govement」は行政基盤,住民サービスなどを想定しています.現状の500億円から2020年度に2000億円を目指すようです.これは正直実現できるような気がします.

  • dotData

北米に設立された新会社で,データ分析プロセスをAIによって自動化するソフトウェアの開発・販売する会社です.その実態がどこまでうまくいっているのかはベールに包まれていますが,もしこれがうまくいけば莫大な利益を生むことができる可能性があります.

NECは就職先としてあり?なし?

  • 勤務地

事業所→東京(府中),神奈川(川崎,相模原),千葉(我孫子)
研究所→神奈川(川崎,相模原),千葉(つくば)
基本的に東京近郊

  • 将来性

不採算事業やリストラは一通り終わりましたので,これからは成長していくと思われます.ITベンダーサービスで安定的な利益を少ないながらも生み出しつつ,動画顔認証技術を用いた最新分野で高利益をたたきだしていくのではないでしょうか.とはいっても,ITベンダーサービスに比べて,最新分野は規模が小さいため,NEC全体の営業利益が回復するにはまだまだ時間がかかるでしょう.

  • 年収

大手電機メーカーの中では平均ですね.

  • その他


東京近郊で働きたく,顔認証技術を利用したセーフティ事業を取り扱いたいorソフトウェア軍事をやりたい方にはありかと思います.
ITサービスベンダーとして働くならわざわざ今不安定なNECではなく他の企業で良いと思うので,尖ってる顔認証や軍事に魅力を感じる方が行くべきでしょう.


以上ご参考になれば.

他の企業はこちらから.
www.atoq.tokyo

*1:ビジネスIT 「iPhoneも入国審査も「顔認証」、技術トップの日本がこのままでは中国に敗北する理由」より