【川崎重工業の今後と将来性】高利益体質で安定した経営をしていけるか【企業分析】

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川崎重工業

一般的な認知としては,バイクで有名なカワサキ.

就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!

川崎重工業とは?

創業:1896年
売上高:1兆5742億円(連結)
従業員数:35,805人(連結)
本社:東京,神戸

勤務地

神戸本社が創業の地であるため,基本的には神戸近郊に勤務地が集まっています.具体的には航空とそれ以外で勤務地が分かれており,
技術開発本部→兵庫県明石市
工場(航空以外)→兵庫県(7つ),香川県(1つ)
工場(航空)→岐阜県(1つ),愛知県(2つ)
となっています.したがって,航空以外であれば神戸近郊で働けますので,関西に住みたい方にはおすすめですね.

事業情報

以下のグラフは特記していない限り「アニュアルレポート 2017」より引用しています.

川崎重工業の売上高・営業利益推移は以下のようになっています.
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売上高は緩やかな上昇傾向にありますね.ようやくリーマンショック以前の水準に戻ってきました.なお,海外売上比率は57%となっています.営業利益に関しては,近年は5%を超える水準で経営できていたものの,2016年度に船舶海洋事業におけるオフショア船事業やプラント・環境事業の海外LNGタンクプロジェクトで損失を計上したために大幅な減益となっています.
最終的には損失を計上し続けたノルウェー向けのオフショア事業自体を取りやめる決定を下しました.その結果,損失は出尽くしたとして市場では好評を受けています.このおかげで今後は営業利益が回復していくと見込まれています.

川崎重工業は以下のような事業を取り扱っています.また,事業別売上高は以下のようになっています.
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  • 船舶海洋カンパニー

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LNG船,LPG船,ばら積み運搬船,潜水艦などを取り扱っています.川崎重工全体に占める割合は6.8%と小さいです.上記したようにノルウェー向けオフショア事業のコスト悪化が響き赤字に転落しています.現在ではこの事業を中止し,今後はガス関連船や潜水艦に注力する予定をしています.

  • 車両カンパニー

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電車,機関車,客車,台車を取り扱っています.川崎重工全体に占める割合は9.0%と大きくはありません.ただし,売上高としては上昇基調にあります.これはアジアや北米における車両需要が旺盛で,それをうまく受注することができているためです.営業利益に関しては,長期的に5%前後を推移しています.今後アジアでは2021年までに市場規模として5%の成長をすると見込まれており,この事業は中長期的には成長していくと思われます.
ただし,直近では,のぞみの台車亀裂問題による台車の交換や補償のために損失を計上し,赤字に転落しています.今後に関しては,巨大プロジェクト(NY地下鉄1600両・4000億円規模,バングラデシュ都市高速鉄道144両・400億円規模を受注)の受注を複数行っており,安定的な収益が見込めると考えられます.

  • 航空・宇宙カンパニー

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防衛航空機,民間航空機分担製造品,民間向けヘリコプタ,誘導機器・宇宙関連機器を取り扱っています.川崎重工全体に占める割合は21.7%と最大です.売上高はほぼ横ばいで推移していますが,これはボーイング777から777Xへの移行時期で生産数が減少しているためです.営業利益は2013,14,15年において10%前後と高い値を記録しましたが,それ以前は基本的に5%前後で推移していました.今後高い利益率を維持できるのかが注目です.航空需要は今後20年で倍増すると言われており,今後の稼ぎ頭として成長していくでしょう

  • ガスタービン・機械カンパニー

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航空機用エンジン,産業用ガスタービン・コージェネレーション,ガスエンジン,ディーゼル機関,陸用・船用タービン,空力・水力機械などを取り扱っています.川崎重工全体に占める割合は15.9%と3番手に位置付けています.売上高は航空エンジンの需要増加に伴って増加傾向にあります.また,営業利益は2006年以降安定して5%前後を記録(赤字転落無し)しており,優良事業となっています.今後も世界の電化の流れや新興国の発展,航空エンジンの需要増加に伴って成長していく見込みであり,目立たないながらも,川崎重工業の屋台骨を支える縁の下の力持ちのポジションとして活躍していくでしょう.

  • プラント・環境カンパニー

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産業プラント,発電プラント,LNGタンク,ごみ焼却プラント,トンネル掘削機,破砕機などを取り扱っています.川崎重工全体に占める割合は10.6%と中堅に位置しています.売上高は増加傾向にあります.営業利益は今年度はLNGタンク建設プロジェクトのコスト悪化で大幅な減益となったものの,普段は平均すれば8%前後と高い営業利益率を確保しています.今後は特にLNG市場の拡大が予想され,ここで如何にシェアを獲得していくかで成長度合いは変わってくると思われます.

  • モーターサイクル&エンジンカンパニー

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二輪車,多用途車両,四輪バギー,パーソナルウォータークラフト,汎用エンジンなどを取り扱っています.川崎重工全体に占める割合は20.6%と航空・宇宙カンパニーに並ぶ2topです.ninjaで有名ですね.個人的に好きです.売上高に関しては,2006年に4000億円あったものの,リーマンショックで2000億円まで停滞し,今やっと3130億円まで持ち直してきたところです.営業利益に関しては,最近は黒字であるものの,長年黒字と赤字を繰り返しており,ようやく軌道に乗ってきた状態です.新興国によるバイク需要は成長する見込みであるものの,価格競争が激化してきています.よって,今後営業利益を確保していくためにはkawasakiブランドをいかに強められるかにかかっています.

  • 精密機械カンパニー

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医薬・医療ロボット,油圧機器,自動ロボットなどを取り扱っています.川崎重工全体に占める割合は10.2%と中堅に位置しています.売上高は近年増加傾向にあります.注目すべきは営業利益率の高さで,この10年間で平均すると9%程度あります.今後,ロボット産業は旺盛な需要が見込まれており,モーターサイクル・航空宇宙に並ぶ新たな収益柱となっていくと期待されています.

川崎重工業の強み

  • 航空宇宙カンパニー,ガスタービン・機械カンパニー,精密機械カンパニーの存在

高い営業利益率と今後の成長が確実に期待できる事業です.航空宇宙はボーイングとの関係を強化していますし,ロボットでは世界の4強に食い入ろうとしています.

  • 防衛産業に強み

防衛産業は,三菱重工業に続くシェア2位です.シェアは11.0%であり,輸送機や哨戒機など大型な航空機に強みを持っています.一度2015年度に三菱重工業を抜いてシェア1位となったこともあり,軍需で安定した稼ぎを築いています.

  • 全事業が安定している

川崎重工業の弱み

  • 世界シェアトップの品が殆どない

全事業が安定してはいるものの,世界シェアトップの製品がほとんどありません.基本的に高付加価値やサービスを付けて上手く経営しているといった印象です.

川崎重工業の今後

中期経営計画から見る今後の施策

以下の製品に重点的に投資していくようです.

  • 民間航空機・民間ジェットエンジン
  • 分散型発電,石油とガスプラント
  • 産業用ロボット,医療用ロボット
  • 海外向け鉄道車両

その結果,次のような売上高推移を辿ることを目標としています.
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*1

キーポイント

  • 産業用ロボット,医療用ロボット

今後10年はロボット産業で営業利益の25%以上を稼ぐ予定をしています.ロボットは旺盛な需要が見込まれており,ここで如何にシェアを伸ばしていくかが重要です.
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川崎重工業は就職先としてあり?なし?

  • 勤務地

技術開発本部→兵庫県明石市
工場(航空以外)→兵庫県(7つ),香川県(1つ)
工場(航空)→岐阜県(1つ),愛知県(2つ)
航空以外であれば神戸近郊

  • 将来性

世界シェアトップの製品はなく,目立つことはあまりありませんが,効率よく稼ぐ経営を実践できており,今後も安定して収益を上げていくと思われます.中でも航空宇宙カンパニーとロボットが一番将来性があります.

  • 年収

706万円.3大重工業の中では一番低いですね.

  • その他

かなり人手不足なのかと思われる.採用活動が長引いている模様.

川崎重工業が手掛けている製品に興味があるor関西に住みたい方にはありかと思います.
経営的な心配はありませんので,製品と勤務地が気に入ればありかなと.
ただし航空宇宙に関して言えば,ボーイングの機体の一部を作っているだけ,航空エンジンもそこまでシェアはないので,民間旅客機なら三菱重工業,航空エンジンならIHIのほうが良いと思います.輸送機や哨戒機が好きなら川崎重工をお勧めします.

以上ご参考になれば.

他の企業はこちらから.
www.atoq.tokyo

*1:川崎重工業「中期経営計画「中計2016」の進捗状況と成長戦略」より