【コニカミノルタの今後と将来性】ジャンルトップを軸に着実な成長を狙う【企業分析】

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コニカミノルタ株式会社

一般層にはプラネタリウムで有名なコニカミノルタ

就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!

コニカミノルタとは?

創業:1936年
売上高:1兆312億円
従業員数:43299人
本社:東京都千代田区

勤務地

勤務地は大別して,
東京都(本社,八王子・日野)
愛知県豊川市
大阪・兵庫
の3つに区分されます.ほとんどの事業がこれら全てにまたがっていますが,ヘルスケアは東京都に集まっています.
日本の主要都市付近に集まっているので,休日に大都市に出かけたい方には一考の価値があります.

事業情報

以下のグラフは特記していない限り「アニュアルレポート 2018」より引用しています.
(エクセルは資料に基づき作製したオリジナルです.)

コニカミノルタの売上高・営業利益推移は以下のようになっています.(ただし,2015年以降は国際会計IFRS,2014年以前は日本会計に従っています.)
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売上高は回復基調にあります.リーマンショック以降,オフィス用品の需要の大幅な低下や円高によって急激な売上高減少に見舞われました.それ以降,M&Aや経営資源の集中によってV字回復し,何とか1兆円を超える規模へ返り咲きました.

一方で,営業利益は低迷しています.リーマンショック前に営業利益率10%を達成したものの,それ以降は5%前後で推移しており,ほとんど変化が見られません.メーカー平均が5%ですので,低くはありませんが,高くもありません.投資段階の事業が多く存在し,収益性が悪いことが課題として挙げられます.

また,純利益の推移は以下のようになっています.
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2006年に赤字に陥って以降は赤字となっていません.2006年の赤字はフィルムやカメラなどの1世紀近くにわたるカメラ関連用品事業から撤退した特別損失によって大幅な赤字を計上しています.

また,コニカミノルタの売上地域構成比は以下のようになっています.
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海外売上比率は81%であり,グローバル化に成功していることが分かります.欧州・米国・日本の割合が75%以上であり,先進国に売上が偏重していることも特徴の一つです.

現在,コニカミノルタはオフィス事業,プロフェッショナルプリント事業,ヘルスケア事業,産業用材料・機器事業を取り扱っており,その売上構成比は以下のようになっています.
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印刷関連事業(オフィス事業及びプロフェッショナルプリント事業)が全体の8割を占めていることが分かります.ヘルスケア事業や産業用材料・機器事業の割合を増加させ,経営を多角化しようと試みはいるものの,想定通りには進んでいないのが実情です.

オフィス事業

複合機を中心として,その周辺のクラウドやドキュメントデジタル化等のITサービスも取り扱っています.オフィス事業の売上高・営業利益率推移は以下のようになっています.なお,2017年に情報機器事業がオフィス事業とプロフェッショナルプリント事業に分離し,独自セグメントとなりましたが,2016年以前はオフィス事業単体の営業利益率が公開されていませんでしたので表記していません.情報機器事業全体では8~9%前後で推移していたので,これに類似した値となっていると推測されます.
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売上高は増加傾向にあります.2013~2016までの売上高増加は主に主力A3カラーMFPの新興国展開やグローバル展開によるグローバル企業に対する営業が成功したためです.また,2017年の減収は基本的に為替の影響(円高)であり,為替の影響を除けば3%の増収であったと報告されています.
また,営業利益率は横ばいであり,8%前後で推移しています.高い水準をキープしていることが分かります.

コニカミノルタの主力製品はA3カラーMFPであり,欧州・北米・中国でそれぞれシェア20%程度を占めています.近年はおおよそこの程度のシェアで推移しており,欧州は2位,北米は4位,中国は2位となっています.

2018年の売上高が5800億円のうち,ITサービスソリューションが700億円を占めており,ITの割合が10%を超えてくるまでに成長してきています.

プロフェッショナルプリント事業

デジタル印刷や商業印刷,産業印刷および,その周辺ITサービスを取り扱っています.プロフェッショナルプリント事業の売上高・営業利益率推移は以下のようになっています.なお,営業利益率に関してはオフィス事業と同様の理由で2016年以前は記載していません.
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売上高は増加傾向にあります.商業印刷のデジタル化分野は市場成長が続いており,その波に乗ってうまく成長を続けています.特に中国・インド,時点で東南アジアでの成長が著しいとされています.
営業利益率は横ばい傾向にあります.新規・成長事業である産業印刷も含まれており,そこへの投資によって営業利益率が低く出ていますが,概ね維持できており,増収を繰り返しています.

カラー中速プロダクションプリント機において世界シェア1位のようです.他の型に言及されていないということは,他の型では実績が残せていないとも言えますが.

ヘルスケア事業

超音波診断装置,X線撮影装置等の医療画像システムおよびITサービスを提供しています.ヘルスケア事業の売上高・営業利益率推移は以下のようになっています.
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売上高は微増傾向にあります.2012年に一度落ち込みました(画像診断装置におけるデジタル化が浸透し,フィルム収入が減少したため)が,その後は順調に回復を遂げ,現在では最高売上を記録しています.これは主にM&Aを活発に行ってきた成果と言えます.
また,営業利益率も増加傾向にあります.これはフィルム事業を海外への委託生産に切り替えたため,2013年に大幅な改善に成功しました.

ヘルスケア事業は様々な買収を行っていることが特徴のセグメントです.ここ5年程度の動きをまとめると以下のようになっています.

2013年にパナソニックヘルスケアから超音波診断機器事業を譲受
2015年にデジタルX線画像診断システムを提供するブラジルSawaeを買収
2015年に医療ITソリューションを提供する米Viztekを買収
2017年に医療用画像保管・管理システムを提供するパナソニックメディカルソリューションズを買収
2017年に320億円で創薬支援を行う米Invcro社を買収
2017年に1000億円で遺伝子診断を手掛ける米Ambry社を買収
2017年にシーメンスヘルスケアから国内経腟超音波事業と譲受

特に近年は複合機市場縮小の危機感が強まったのか活発にヘルスケア分野に投資を行っています.ただし,基本的に後発であり,シェアはGEやシーメンスなどの巨大企業が握っています.また,それらに対抗できるほどの製品開発力もないので,ニッチな分野における確実なトップシェアを狙っていく方針であるようです.

超音波診断装置(ハンドキャリー型),X線撮影装置(DR),ITサービス,バイオヘルスケア(がん診断等)の4本柱となっています.

産業用材料・機器事業

産業用光学システム分野(計測機器(照度計や照明評価装置など)や外観検査機器,プラネタリウム等の映像ソリューション)および材料・コンポーネント分野(偏光板保護フィルム,レンズ,インクジェットコンポーネント)を取り扱っています.産業用材料・機器事業の売上高・営業利益率推移は以下のようになっています.
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売上高は横ばいとなっています.産業用光学システム分野の売上高が431億円,材料・コンポーネント分野が751億円です.2013年以降は設備投資が一巡した影響もあり,緩やかな低下傾向にありましたが,2018年にようやく波に乗れ増集を記録しました.2013年の大幅な売上減は,材料・コンポーネント分野におけるレンズやフィルムの需要が低迷したためです.
一方で,営業利益率は増加傾向にあります.注目すべきはその営業利益率の高さであり,コニカミノルタの全事業の中で最も営業利益率が高くなっています.今では20%前後で推移しています.計測機器や機能材料など,信頼性が求められる中で確実に需要を取り込んでいる結果だと言えます.

この分野は基本的に企業,特にディスプレイ企業の設備投資に大きな影響を受けます.ごく最近,米中の貿易戦争が勃発していることから企業の設備投資に悪影響があると考えられ,今後の売上増はしばらく見込めない可能性が高いです.

映像ソリューションユニットにて,体験型VRアトラクションやプラネタリウムを展開するなどして,設備投資に影響を受けづらい体制を築く努力をしています.しかし,上手く進んでいないのが現状です.

コニカミノルタの強み

  • A3カラーMFPの市場シェアが高い

欧州・北米・中国でそれぞれシェア20%程度を占めています.欧州は2位,北米は4位,中国は2位.特に需要がまだ増加傾向にある中国・インドでシェアを維持しているのは評価点です.

  • 商業印刷分野の成長率

商業印刷分野は今後も成長が見込まれる分野であり,印刷機メーカー各社が新たな戦場としてしのぎを削っています.コニカミノルタはキャノンに次いで,リコーと二番手争いをしています.全体の会社規模ではリコーが倍程度であることを考えれば健闘しています.

  • 一部商品でトップクラスのシェア

カセッテ型DR(X線投影装置),光源色計測機器,VA-TACフィルム(液晶テレビ用の偏光フィルム),A3カラーMFP,カラーデジタル印刷機においてトップクラスのシェアを誇っています.企業体力が大きくないので,一部商品に注力し,魅力的な商品を提供できています.

コニカミノルタの弱み

  • 印刷事業以外の成長率の乏しさ

ヘルスケア事業や産業用材料・機器事業は様々な施策を行っているものの,結果として表れてきていません.この2分野を新たな柱として成長させる方針が成就するのは遠い未来のことになりそうです.

  • オフィス事業の売上減見込み

印刷機メーカー各社に言えることですが,オフィス事業は高い確率で売上が減少していく見込みです.現在,需要がまだ減衰していない商品を取り扱っているので大きな影響は受けていませんが,これから正念場を迎えることは間違いありません.

コニカミノルタの今後

中期経営計画から見る今後の施策

  • 基盤事業:オフィス,プロダクションプリント,デジタル医療診断機器,色計測,材料・コンポーネント
  • 成長事業:産業印刷,マーケティングサービス,医療ITサービス,外観検査,素材・新規フィルム
  • 新規事業:WorkPlace Hub,状態監視,バイオヘルスケア,BICテーマ
  • 2021年度に営業利益1000億円以上を目指す
  • 売上増はプロダクションプリントと産業印刷,機能材料で行う

キーポイント

  • 売上増はプロダクションプリントと産業印刷,機能材料で行う

これからの売上増を担うのは,プロフェッショナルプリント事業であることは間違いありません.しかしそれは競合他社の印刷機メーカーも同様で,極めて激しい競争が繰り広げられると想定されます.現在のように,カラー中速プロダクションプリント機でシェア1位であるように,一部ジャンルだけでもトップを取れるように得意分野を磨いていく必要があります.

コニカミノルタは就職先としてあり?なし?

  • 勤務地

勤務地は大別して,
東京都(本社,八王子・日野)
愛知県豊川市
大阪・兵庫

  • 将来性

成長の将来性が高いと言えます.売上の成長は主にプロフェッショナルプリント事業が成長するかどうかで決まることですが,今までの経営戦略を見る限り,ジャンルトップを確立することを念頭に置いており,それを毎回実現させています.プロダクションプリントにおいても,一部トップシェアを確立する技術を有しており,これを堅持しつつ,新たなジャンルを確立できれば売上増が期待できます.規模が大手印刷機メーカーと比較して小さいからこそ,狙うべき箇所がはっきりしており,それを着実に実現へ近づけています.経営方針のうまさを評価して,成長性は高いとしておきます.

  • 年収

743万円

印刷機メーカーと比較して書くのであれば
手広く商品を展開するわけではなく,1ジャンルに専念して取り組みたい方にはありかと思います.


以上ご参考になれば.

他の企業はこちらから.
www.atoq.tokyo