【スズキの今後と将来性】インドで圧倒的なシェア1位.このまま維持できるか?【企業分析】

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スズキ

軽自動車でよく見かけるスズキですが,その実力やいかに.

就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!

スズキとは?

創業:1920年
売上高:3兆7572億円
従業員数:15,269人
本社:静岡県浜松市

勤務地

スズキの勤務地はほぼ全てが静岡県に集中しています.
f:id:k-true:20180924204935p:plain
*1
国内において,転居を伴う転勤がないのは大きなメリットですね

事業情報

以下のグラフは特記していない限り「アニュアルレポート 2018」より引用しています.

スズキは3つの事業を経営しています.

  • 四輪事業

売上高の91.5%を占めています.ジムニーなどが有名ですね.

  • 二輪事業

売上高の6.5%を占めています.バイクです.アジアでの販売台数が急激に回復したことからようやく営業赤字から脱出しました.

  • マリン事業

売上高の2.0%を占めています.船舶は取り扱っておらず,船外機(エンジン)のみを取り扱っています.売上は他事業に比べればすくないものの,営業利益率は19.4%もあり,高効率な運営がなされています.


スズキの売上高・営業利益推移は以下のようになっています.
f:id:k-true:20180924210101p:plain
f:id:k-true:20180924210109p:plain
売上高は上昇基調にあることが分かりますね.特に今年度の業績は著しくよく,過去最高売上を記録しています.これは四輪事業での業績がよく,特にインドでの販売増が顕著であったためです.
また,営業利益も上昇基調であることが分かります.メーカーの営業利益率の平均が5%と言われていることから,今期に記録した営業利益率10.0%は相当高いということが分かります.


四輪事業が90%以上を占めていることから,以降は主に四輪事業についてのみ語ります.
自動車業界は為替の影響を受けやすいので,販売台数で判断したほうが好調か不調かを判断しやすいです.スズキの販売台数は以下のようになっています.
f:id:k-true:20180924211646p:plain
販売台数も上昇基調にあることが分かりますね.特に前年度から12.1%も増加しており,今期はとても好調だったようです.また,地域ごとの販売台数は以下のようになっています.
f:id:k-true:20180924211938p:plain
インドが51.3%を占めています.次点で日本が来ていますね.既にご存知だった方もいるかもしれませんが,そうなんです.スズキは日本の自動車メーカーで唯一インドで絶好調の企業なんです.各国でのシェアを見ていきましょう.

日本:(軽自動車)2位.30.2%.55.6万台
中国:?位(日系5位).0.5%程度.11.4万台
インド:1位(日系1位).42.9%.178万台
タイ:6位(日系6位).6.4%.2.2万台
インドネシア:5位(日系5位).10.3%.11.1万台
ドイツ:22位(日系5位).1.1%.3.1万台
*2

インドだけ異常に突出していますね.これは強みに繋がりますので,以下で解説させていただきます.

スズキの強み

  • インド市場で異常に強い

現在インドでシェア42.9%を誇っているスズキですが,どうしてこんなに強くなったのでしょうか?
要約すれば,
1950年代にフォードやGMが一旦進出したものの,インドが自国企業優先で追い出した.

1970年代に,自動車産業が世界では発展しているのにインドでは停滞し続けており,危機感を覚えた.外資の規制緩和を実行した.

1980年代に,当時世界の自動車産業を席巻していた日本を訪問し,各メーカーにインド進出を促す.多くの企業が言語や文化の壁を理由に尻込みするなか,スズキのみがインド進出に同意.インド側も当時スズキが発売していた軽自動車アルトを高く評価していた.

1982年に「マルチ・ウドヨグ合弁会社」を設立し,当時もっとも安価であった自動車よりも20%安い価格で2代目アルトを販売.普段から徹底的にコストカットを行っていたスズキだからこそ実現できた価格.

当時のインドの大半を占める低所得者層に大ヒット

セダン「Maruti1000」も大ヒット

1998年にシェア83.4%を記録

ヒュンダイやホンダが進出し,今のシェア40%に落ち着く.
*3
こういった成長ストーリーがあったんですね.進出し始めは本当につらいものであったとは思いますが,産業が成長していない状態で独占できたのは良かったですね.

  • 二輪事業を行っていること

四輪車は値段が高いため,発展途上国にははじめバイク・スクーターがよく売れる傾向にあります.そこでホンダというイメージを根付かせることができ,その国が発展してきたときに四輪車を売りやすくなります.ブランドイメージがすでにできているのは車を販売する上で非常に有効です.

  • 軽自動車に特化し,コスト削減レベルが高い

昔から徹底したコストカットを実現しており,安価な小型車を作ることに関して右に出るものはいません.

スズキの弱み

  • インドに偏重しすぎ

インドで強いことは良いのですが,一つの国に傾倒しすぎるとその国の経済状況に強い影響を受けます.他国での成長にも目を当てたほうが良いと思います.

  • EV技術がない

今まで徹底した安価製品を提供してきた背景があるため,スズキはEV関連の技術をほぼ有していません.今後EVやHV需要は主戦場のインドでも高まってくると考えられており,ここの技術がないと今後厳しい戦いを強いられます.スズキはこの対応策としてトヨタとの協業を発表しています.トヨタは見返りにインドでの販売網を獲得することになり,インド戦略を頑張ってきてよかった点ですね.

スズキの今後

中期経営計画から見る今後の施策

  • 2019年にインドに新工場.もう一つの工場も新設予定.
  • アセアンをインド・日本に次ぐ柱にする
  • インド市場でシェア50%を維持し続け,2030年に500万台製造を目指す.
  • 高度運転支援の技術蓄積
  • インドでの情報通信技術開発の促進

などを行っていくようです.気になったものだけピックアップしていきます.

キーポイント

  • インド市場でシェア50%を維持し続け,2030年に500万台製造を目指す.

インドは世界第3の市場として位置づけられており,急速な成長が見込まれています.2030年には四輪車販売が1000万台に達する予定です.また,インド政府は将来的に販売の30%をEVにする計画を掲げています.
*4
シェア50%を維持することは難しいとしても,ここでシェアをできるだけ維持することができれば,莫大な利益を享受することができます.先駆者のメリットを存分に活かしてどれだけ他社を突き放すことができるのか.優れた経営戦略が求められます.まずEV技術をトヨタとの協業で手に入れることが最優先でしょう.それもトヨタがインドでの地位を確立するまでに技術を学びつくさないと,提携解消された途端に売り上げが急落しかねません.

  • 高度運転支援の技術蓄積

これからインドも成長してくるので,ただ安いだけでは売れなくなってくることが予想されます.高度運転支援技術などの便利さが求められてきます.トヨタ頼みになってばかりですが,トヨタからどんどん技術を蓄積していきましょう.あるいは情報産業が発達しているインドを拠点にしている利点を活かして,インドで情報システムに大量投資するかですね.

スズキは就職先としてあり?なし?

  • 勤務地

スズキの勤務地はほぼ全てが静岡県に集中しています.国内においては転居を伴う転勤がないメリットがあります.

  • 将来性

とりあえず10年は絶対大丈夫です.インドの成長のおかげで,急激に業績が悪化することもなく安定的に成長していけるでしょう.あとはEV技術や先進技術をどれだけ手に入れて実装できるかにかかってきています.トヨタ傘下になるのも手だと思いますけどね.

  • 年収

3大自動車メーカーより低い三菱マツダよりさらに低いスバルと同程度なようです.

  • その他

軽自動車好きな方.

転勤なんかしたくなく,静岡県に抵抗がなく,インドへの出張に抵抗もなく,軽自動車が好きな方にはありかと思います.
もっと言えばインド大好きな人にはぴったりです.

以上ご参考になれば.

他の企業はこちらから.
www.atoq.tokyo

*1:スズキホームページより

*2:自動車産業ポータル MARKLINES

*3:スズキ 「SUZUKI 萩原健介  川島翔太  田口晴久」より

*4:日本経済新聞 「スズキの鈴木会長「30年に700万台販売体制に」 EVやCNGへ転換」より