今の世の中
IoT!!IoT!!
ってめっちゃ活気づいていますよね.
でもIoTを実現するためには大量のセンサが必要なわけで
その大量のセンサの電源をどうするのか
て話が結構置いてけぼりになっています.
ここに関して議論していきましょう
IoT電源に求められる要件
- 独立電源であること
大きなセンサの場合は直接ケーブルを引いても良いかもしれませんが,
基本的には独立電源が求められています.
なぜかというと,IoTでは大量の数百とか数千のレベルでセンサが必要になってくるからですね.
最近では,「Trillion Sensors Universe」すなわち「1兆センサ時代」という概念も提唱されています.
これからの世の中1兆個のセンサに支えられるというわけです.
それらすべてをケーブルで繋いで電力を送るとなると大量の配線を設置する必要があります.
どう考えても邪魔なんです.この配線たち.
また,数が多くなればなるほど配線におけるエラーの確率が高まります.
よって,省スペース化および故障確率低減のため独立電源が必要となってきます.
- 寿命が長いこと
上記に関連していますが,大量のセンサがあるということはそれだけ故障確率が高くなってきます.
よって,一つ一つのセンサが故障を起こす確率を極力さげる必要があります.
また,そもそもセンサの場所自体が容易に交換できる場所にあるとは限りません.
例えば,プラントの配管での使用が見込まれる場合,
高所や配管の内部など交換をおいそれとできない場所に設置される可能性があります.
そのため,できる限り故障が起こりにくい機構を用いて電源を構成する必要があります.
- 電力供給の安定性が高いこと
これは電源としては言うまでもありませんが,安定性はめっちゃ重要です.
電力供給量に乱れがあり,安定した動作ができないセンサなど必要ありませんからね
だから,
電力供給量が多いけど,安定性にかける
電力供給量が少ないけど,安定性は高い
のような選択肢の場合,圧倒的に後者が有利です.
昇圧機や蓄電器を使って一時的にためておき,必要量溜まったら電力を解放すればよいのですから.
連続的な動作よりも安定的な動作のほうが重要です.
- 低コスト
当たり前ですが,大量のセンサを用いるのに一つ一つの電源が高いと話になりません.
誰も使ってくれません.
これが満たされない限りIoTの実現なんて夢のまた夢です.
- 低環境負荷
これは必ずしも必要というわけではありませんが,
生産される量を考えれば有害な物質や希少元素を豊富に使うことはおすすめできません.
実際どのような電源が考えられるのか?
- ワイヤレス給電
電波を用いて,センサー本体には受信機のみを設置しワイヤレス給電を行うという方式です.
以下の記事にあるように,ついに実用レベルまで開発が進んでいるようです.
[第2回]どこに置いても充電可能、「Cota」に見るIoT向けワイヤレス充電技術 | 日経 xTECH(クロステック)
この方式の問題は,
遠距離に飛ばすのが難しいため中継基地を複数用意しなければならないこと
電波同士の干渉が生じてしまうこと
が挙げられます.
今後これらの課題を解決していくよう開発が進んでいく見込みです.
- 熱電変換モジュール
とくに自動車やプラントの配管などの廃熱がある部分での使用が想定されています.
この熱電変換モジュールは温度差を起電力に変えるゼーベック効果を利用した素子であるため,
熱さえあれば安定的な動作が見込めます.
ただし,現状発電量が微小なため,連続的な観測はできません.
まだまだ研究開発が必要な電源です.
現状,ここまでは実現できているようですね.
省エネやIoT電源として注目されるフレキシブル熱電発電モジュールの可能性 | BUSINESS ECOSYSTEM【日本ユニシス】
- 太陽光発電
太陽光があたるところであれば,すでに確立された技術である太陽光発電を用いれば簡単に発電することができます.
問題はやはり安定性にありますが,蓄電技術と合わせればある程度安定した動作を保証できるのではないでしょうか.
- 振動発電
微小振動が発生している箇所では,MEMSを用いて微小振動を電力に変換することが可能です.
http://www.ntt.co.jp/journal/1212/files/jn201212032.pdf
ただ,こちらも発電量が少なすぎるためまだまだ研究開発段階です.
まとめ
様々な電源が考えられますが,そのほとんどがまだ研究開発段階といった現状です.
IoTが本格普及していくのは,これらの電源が商用レベルで実現し始める必要があるので,
まだ10~15年はかかるのではないでしょうか?
それでももう目前まで迫っていることは間違いありません.
楽しみに新世界を待ちましょう.
もしあなたが高校生や大学生であった場合,
これらの電源技術において革新的な研究開発を行い,特許をとれば大金持ち間違いなしです!
こういった微小スケールの開発に興味がある方は一考してみる価値がありそうですね