KDDI株式会社
3大キャリアの一角をなすKDDI(au)
就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!
KDDI(au)とは?
創業:1984年
売上高:5兆419億円
従業員数:38826人(連結)
本社:東京都千代田区
勤務地
総合職は全国転勤ありです.
エンジニアは基本的に東京近郊,SEであれば主要都市のみです.
事業情報
以下のグラフは特記していない限り「アニュアルレポート 2018」より引用しています.
(エクセルは資料に基づき作製したオリジナルです.)
KDDIの売上高・営業利益推移は以下のようになっています.
なお,2014年以前は国内会計基準であり,2015年以降は国際会計基準となっています.売上高は年々増加しています.2015年で会計基準が変わったので低下してしまっていますが,同一会計基準であれば増加していますので,毎年過去最高益を更新しています.これは主にパーソナル事業が好調に推移していることが理由として挙げられます.特にスマートフォン浸透率の向上や,MVNO事業やエネルギー事業が好調であることが近年の成長を支えています.また,近年では営業利益も同様で年々増加しています.営業利益率も年々増加しており,極めて健全な経営状況となっています.
また,純利益は以下のようになっています.
純利益に関しても増加傾向にあります.今や6000億円に迫る勢いで急成長していることが伺えます.
KDDIは以下のような事業を取り扱っており,その構成比は以下のようになっています.
パーソナル事業が過半を占めていることが分かりますね.
パーソナル事業
個人向けの通信サービス(au・MVNO,FTTH,CATV)及びエネルギー・教育サービス等を取り扱っています.事業の特徴としては,KDDIは累計携帯端末シェアで2位31.0%を獲得しています.また,ケーブルテレビ優良チャンネル契約数シェアは連結子会社のJ:COMがシェア1位51.7%を占めています.また,MVNO事業としては,UQモバイルやBIGLOBEを運営しています.勿論,au契約者数は減少していますが,au+MVNOで計算すれば契約数は増加傾向にあります.
パーソナル事業全体としては,売上高は増加傾向にあります.これは主に,エネルギー事業やMVNOが好調に推移したためです.ただし,モバイル通信事業全体(au+MVNO)は微増していくものの頭打ちの印象が否めないので,今後は非通信領域(物販サービス「au WALLET Market」,「auでんき」)などが成長を牽引していくと思われます.実際,au電気は新規電力事業者の中では東京ガスに次ぐ第2位につけています.また,営業利益率も非常に高いことが特徴です.ただし,ドコモが基本料金の値下げを発表したので,遅かれ早かれKDDIも追従すると思われるので,営業利益率は10%前後に落ち着くようになると思われます.
ライフデザイン事業
個人向けのコマース・金融・決済・エンターテインメントサービス等を取り扱っています.具体的な名称を出せば,「au WALLET クレジットカード」「au スマートパス/auスマートパスプレミアム」(映画館の割引とかハンバーガープレゼントとか学生では有名でしょうか?)「Wowma!」(インターネットショッピングサービス)がそれにあたります.売上高は増加傾向にあり,営業利益率は事業の中で最も高いのが特徴です.クレジットカード発行枚数,auスマートパスプレミアム会員数,au経済圏での流通総額すべてが順調に増加しており,今後の成長を牽引していく事業です.
ビジネス事業
企業向けの通信サービス及びICTソリューション・データセンターサービスを取り扱っています.売上高は増加傾向にあり,営業利益率も順調に増加しています.特徴としては,今後のIoT需要や5G通信需要によって成長が期待される分野です.主だった施策としてはトヨタとコネクティッドカーの通信要素技術を開発しており,コネクティッドカーにおいてプラットフォーマーとなる可能性があります.
グローバル事業
海外での個人・企業向けの通信サービス及びICTソリューション・データセンターサービス等を取り扱っています.売上高は下降傾向,営業利益率も他の事業に比べれば高くはありません.赤字に転落した年もあり,先行き不透明感が漂っています.具体的にはミャンマーやモンゴルにおける個人向け通信事業を取り扱っています.両国において,シェア1位を獲得しています.
KDDI(au)の強み
- 国内携帯端末数シェア2位
寡占が続いている国内通信事業において,シェア2位31.0%を記録しており,極めて安定した収益基盤を有しています.
- ケーブルテレビ事業
J:COMを出資比率50%で有しており,またシェア1位51.7%を獲得しています.
- 電力事業
新規電力事業者の中で,東京ガスに次ぐ第2位につけています.今後も安定的に増加していくことが見込まれており,成長事業の一つです.
- トヨタとの共同研究
今後,コネクティッドカーは5G技術の導入に伴って爆発的に増加すると見込まれています.実際,トヨタでは2020年以降に日本・北米で販売する車両にはコネクティッドカー技術を乗せると決定しています.トヨタグループは世界で3位,企業単体でみれば世界1位の販売台数を有しており,そのトヨタとコネクティッドカー関連技術で共同研究を行っていることは強みです.今後世界で規格統一が成されていくでしょうが,統一規格になる可能性も存在し莫大な利益を生み出す可能性を秘めています.日本と北米に限っても年400万台近くですので,規模としては十分です.
KDDI(au)の弱み
- 海外進出に遅れ
モンゴルやミャンマーに進出はしているものの,売り上げに占めるシェアが高くありません.ソフトバンクが40%近い海外売上比率を有しているので,これは今後の課題でしょう.ただし,ドコモはKDDIよりも低いので最低というわけでは成りません.
- ライフデザイン系列のサービスの弱さ
auユーザーとしてスマートパスやその他サービスを利用したことがありますが,いまいち他サービスに対してメリットを感じるようなことがありません.より魅力的なコンテンツを提供していく必要があるでしょう
KDDI(au)の今後
中期経営計画から見る今後の施策
- 新たな体験価値の創造
- IoTの取り組み強化
- スマートデバイスの浸透
- auスマートバリューの展開
- au経済圏(食品,日用品,でんき,スマホ,生命保険,損害保険,ローン,金融)を創成し,総合提供による囲い込み
- ミャンマー・モンゴルにおける通信事業の拡大
- 2019年3月営業利益1兆円越え
などを行っていくようです.
キーポイント
- au経済圏(食品,日用品,でんき,スマホ,生命保険,損害保険,ローン,金融)を創成し,総合提供による囲い込み
ここまで手広くサービスを高品質で提供できるのはKDDIぐらいでしょう.これを今後の成長の核として,より囲い込みができる魅力あるプランを提供していくことが重要です.
KDDI(au)は就職先としてあり?なし?
- 勤務地
総合職は全国転勤ありです.
エンジニアは基本的に東京近郊,SEであれば主要都市のみです.
- 将来性
将来性は高いでしょう.特に,コネクティッドカー関連の技術要素をトヨタと共同研究しているのが非常に強いです.このコネクティッドカー関連で先駆的な立場を築くことができれば,ドコモやソフトバンクに並ぶ売上高になってくるのではないでしょうか.成長性でいえばKDDIが一番だと思います.
- 年収
936万円
ドコモ,ソフトバンクの比較で言えば,
コネクティッドカーに興味があるor家庭に対してフルサービスを行いたい方にはありかと思います.
コネクティッドカーは上記した通りですが,家庭に対してフルサービスを行うとはどういうことか?これはau経済圏のことを指します.各自の実力はまだそこまで高くないものの,電気事業も行っており,その他生活に欠かせないサービスをフルパッケージで提供できるのはauのみです.このフルサービス提供に興味がある方にはおすすめかと思います.新規事業ですので,裁量も与えられやすく面白そうですね.
以上ご参考になれば.
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