【コマツ(小松製作所)の今後と将来性】ワークライフバランス&福利厚生が良く,業績も好調なホワイト企業【企業分析】

小松製作所.

重機において日本のシェア1位,世界のシェア2位を誇る重機業界の2topのうちの一つ.

就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!

コマツとは?

創業:1921年
売上高:2兆5011億円
従業員数:59,632人(連結)
本社:東京

勤務地

全国各地に存在していますが,コマツは採用時に担当製品を選択することができ,それにより勤務地を決めることができます.

  • データサイエンス→東京本社
  • 情報・制御・電気・研究→平塚(湘南工場or万田地区)
  • 動力伝達装置→石川・大阪・栃木
  • 油圧機器→栃木・福島
  • ディーゼルエンジン→栃木
  • 生産技術開発→大阪
  • 産業機械→石川
  • 防衛車両→石川

機械の設計を希望する場合は全国配属選考になり,各地の工場に配属されます.
都会よりが良いのであれば,データサイエンス・情報・生産技術開発で志望するとよいでしょう.
その他は田舎を覚悟してください.

事業情報

以下のグラフは特記していない限り「アニュアルレポート 2018」より引用しています.

コマツの売上・営業利益推移は以下のようになっています.
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コマツの売上高は近年は2兆円前後を行き来していました.2009年はリーマンショックによる世界的な投資減で売上高が急減しています.一方で,2017年度はいきなり38.7%増加し2兆5011億円をたたきだしています.これは,アメリカのジョイグローバル社を買収した効果で3000億円程度,その他に全世界的な投資加速で建機の売り上げが好調であったためです.よって,今後は2兆2000億円が下限レベル,どれだけ売り上げを伸ばせるかは世界の投資状況次第となるでしょう.
一方で,営業利益率はほぼコンスタントに10%を誇っています.メーカーの平均営業利益率が5%と言われている状況でこれは目を見張る営業利益率です.また,注目すべきはリーマンショックが起こった2009年度でさえ営業赤字に転落していないことです.日本のほとんどの大企業が赤字に転落した中,意地でも営業利益を確保した経営手腕は褒められるべきです.きわめて安定した経営基盤が伺えます.

コマツの売上高構成比は以下のようになっています.
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日本の売上は14%しかなく,海外売上比率が86%とメーカーの中でも有数の数字を誇っています.
その構成比率も北米が24%とやや高いものの(市場規模が大きいので仕方ないが),全地域に分散しており非常に安定した収益基盤を誇っています.

コマツの事業内容は以下のようになっています.

  • 建設機械・車両

建設・鉱山機械,フォークリフト,林業機械,資源リサイクル機械,地下建機などを製造・販売しています.

  • 産業機械

プレス・板金機械,工作機械,エキシマレーザー,サーモモジュール・温度制御機器を製造・販売しています.

  • リテールファイナンス

建機の貸し出し,ローンなどを行っています.

売上比率でいえば,建設機械・車両が90%以上となっており,その収益のほとんどは建機によりもたらされています.

コマツの強み

  • 高い営業利益率と高い海外売上比率

上記しましたが,長年高い営業利益率を維持してきており,企業体質として徹底的なコストカットやダントツ商品を生み出す風土が染みついています.海外売上比率も極めて高いのが特徴的です.

  • 国内シェア1位,世界シェア2位

世界シェア1位はキャタピラーであり,その売上高はコマツの倍ほどもありますが,それでもコマツとキャタピラーの2強とまとめるほどコマツ・キャタピラーより下位の建機メーカーとは差があります.今後いかにしてキャタピラーにおいてついていくかが課題となっています.

  • 先進ITを組み合わせた先進建設機械

世界で初めて無人トラックを運行,ハイブリッドを生産,作業機全自動制御など建機業界に次々と先進ITの技術を持ち込み,建機業界をリードしています.ドローンを用いて進捗管理を行うスマートコンストラクションの導入も国内で5500件を超えました.

  • 車両製品すべてを自社生産している

車両のコンポーネント全てを自社生産しており,これが実現できているのはコマツとキャタピラのみです.コンポーネントを全て自社生産にすることで,設計の柔軟性が広がり,コンセプトに適した車両を作製することを可能としています.

  • ジョイグローバル社買収による露天掘りと坑内掘りの両方が可能となった

ジョイグローバル社を買収したことにより,今まで露天掘りに特化していたコマツは坑内掘りを可能としました.露天掘りとは坑道を掘らずに地表から徐々に削るようにして鉱物を採取する手法であるのに対して,坑内掘りは坑道を作り地下深くの鉱物を採取していく手法となっています.坑内掘りのほうが技術的に難易度が高いですが,今後鉱山は坑内掘りに移転していくと予測されており,今後坑内堀りと露天掘りの需要を両方取ることができるのは非常に有利です.

コマツの弱み

  • 坑内掘りが苦手

上記で可能になったといいつつも,まだ可能になりはじめた段階であり,坑内掘りとしての企業からの認知度は高くありません.これからいかにプレゼンスを高めていくかが重要になってくると思われます.また,ジョイグローバルは石炭の坑内掘りに特化した会社であり,鉱物の坑内掘りに関して成長するためにはまだ長い時間がかかる見込みです.

  • 北米のシェアをキャタピラに取られている

北米のシェアでキャタピラに勝つためのビジョンが明確に示せていません.そもそも勝つことを目指していないのかもしれませんが・・

コマツの今後

今後の施策

  • 建設機械の更なるICT化
  • 坑内掘り事業の強化
  • 成長市場であるアジアのシェア維持
  • 林業にも注力

以上のような施策を行っていくようです.

キーポイント

  • 建設機械の更なるICT化

自動車の業界では完全無人運転が流行っていますが,建機業界でも同様の流れがおこると予想されます.むしろ,危険な現場である工事現場や鉱山での稼働人員を極力少なくするのは企業にとってメリットがあります.したがって,今後無人運転を実現した企業が建設業界でも覇権を握っていくと想定されます.コマツはダンプの無人運転などで他企業を先行しており,この分野では優位に立っています.このまま技術開発を加速し,他社に先駆けて実現できるかが今後の成長の鍵を握っていくでしょう.

コマツは就職先としてあり?なし?

  • 勤務地

・データサイエンス→東京本社
・情報・制御・電気・研究→平塚(湘南工場or万田地区)
・動力伝達装置→石川・大阪・栃木
・油圧機器→栃木・福島
・ディーゼルエンジン→栃木
・生産技術開発→大阪
・産業機械→石川
・防衛車両→石川

  • 将来性

鉱山需要や建機需要は今後新興国の発展に伴ってますます増加する見込みであり,建機産業自体は成長産業です.その中でシェア2位を誇り,先進技術においては世界トップを走っているコマツは安定した成長が見込めると思われます.たとえ世界不況になったとしても赤字にならなかった実績は非常に強みです.潰れることや財務体質が悪化することはまずない.将来性ありありだと思います.個人的には日本のメーカーの中でトップクラスの将来性だと思っています.

  • 年収

30歳で600~700万だそうですね.大手メーカーの中でも高い部類だと思われます.

  • その他

結婚したら借り上げ社宅制度があり,会社が7割家賃を負担してくれるそう.また,残業が少なくワークライフバランスに優れた企業.

希望する製品・勤務地がある方にはありかと思います.
マイナス要素がほとんどないので,取り扱いたい製品や希望する勤務地に不満がない場合はとりあえずエントリーすることをお勧めします.

以上ご参考になれば.

他の企業はこちらから.
www.atoq.tokyo

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