LINE株式会社
日本で使っていない人がいるのか?というぐらいメジャーなSNSアプリ
就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!
LINEとは?
創業:2000年
売上高:1671億円
従業員数:1692人(単体)
本社:東京新宿区
勤務地
基本的に勤務地は東京本社になります.
また,一部では関西で働きたい方を対象にして,京都研究所を設立しています.
事業情報
以下のグラフは特記していない限り「決算短信」「2017年12月期通期 決算説明会」より引用しています.
LINEの売上収益及び営業利益推移は以下のようになっています.
(YoYはyear over yearの略で前年度比)
売上高は年々拡大を続けています.コミュニケーションやコンテンツは頭打ちとなっていますが,広告事業が成長を支えています.営業利益は2015年に一度大きく落ち込んだものの,2016,7年では大きく盛り返し,営業利益率10%以上を達成しています.2015年に営業利益が大きく落ち込んだ原因としては,2015年に取得したMixRadio事業をその年で事業停止に踏み切り,解雇費用が膨らんだためです.一時的な費用であり,今後は2016,7年程度の営業利益で推移していくものと推測できます.
また純利益推移は以下のようになっています.
2015年に赤字に転落した理由は上記と同様でMixRadio事業の損失を計上した影響が最も大きいです.その後は黒字化できており,特に問題はありません.LINEは2017年12月31日において,1236億円の現金及び現金同等物を有しているので,80億程度の赤字は全く痛くありません.LINEは2016年に上場したばかりなので,手持ち資金が潤沢ですね.
LINEは以下のような大別して4事業を行っています.
広告事業
LINE広告(LINE公式アカウント,LINEスポンサード・スタンプ及びLNEポイント,タイムラインやLINE NEWS面に掲載されるパフォーマンス広告など),livedoor blog, NAVERまとめを通じて提供する広告のことを指します.年々売上が増加しており,今後も成長が見込まれる事業です.スマホを持っている日本人ほぼ全員がLINEを利用していることから,広告効果は絶大だと考えられ,企業からの需要はこれからも高まりが予想されます.LINE自身も中核事業と位置付けています.
コミュニケーション事業
主にLINEスタンプ事業がコミュニケーション事業にあたります.売上高はほぼ頭打ちとなっており,こちらの事業は如何に効率的な運営を行っていくかが焦点となっています.スタンプが出始めたころは新鮮味があったので顧客が頻繁に使用していましたが,最近では面倒くさくなりスタンプを使わなくなってきた層もいるようです.
コンテンツ事業
主にLINEゲーム,LINEプレイ,LINEマンガ,LINEMUSICが含まれています.LINEプレイやLINEマンガは決済高が順調に伸長したものの,LINEゲームにおける人気低減によって売上高は下落に転じています.最新の四半期から判断すると,横ばい成長となっており,ゲーム事業は好転していません.今後も”当たる”タイトルがない限り今の状況は続いていくでしょう.
その他
LINE FRIENDS,LINE Pay,LINE Mobileなどが含まれています.戦略事業として位置づけられており,今後の成長の鍵としています.売上高は現在のところ順調に推移しており,年々拡大を続けています.
LINEの強み
- アクティブユーザー数の多さ
LINEの強みは何といってもこれでしょう.アクティブユーザーは主要4カ国で1億6400万人,日本だけで7600万人おり,圧倒的な強みを有しています.新サービスをすぐさま大量の顧客に発信できる点,および広告効果の高さから企業からの需要が高い点が魅力です.
- 手持ち資金が潤沢
2016年に上場した直後なので,手持ち資金が潤沢です.1236億円の現金及び現金同等物を有しており,様々な事業に投資していくことが可能です.
LINEの弱み
- アクティブユーザー数が頭打ちからの減少フェーズへ
強みで上記した図を見れば分かりますが,LINE自体のアクティブユーザー数は日本ではまだ辛うじて増えているものの,主要4カ国で見れば減少傾向にあります.英語圏ではWhatsup,中華圏ではWeChatが流行しており,それに押される形でシェアを失っていっていると予想されます.日本では維持することができたとしても,英語圏や中華圏に近しいインドネシア,タイ,台湾ではシェアは確実に減衰していく見込みです(日本も人口減で長期的には減っていきます).そりゃ繋がれる人が多いほうのアプリ使いますよっていう話ですが,ラインとしては厳しい現実です.今後アクティブユーザー数が急減するフェーズに入る前に,新しいサービス(現状ではFintechを育てる予定)でSNSアプリ以外のポジションを確立することが重要です.
LINEの今後
今後の施策
LINEは以下の3点を重点事業と位置付けています.
- 広告事業
従来の広告サービスの最適化を行うことで,参画企業を増加させる方針です.
- Fintech
所謂「Fintech」,しかもあらゆる事業を行っていく方針です.Line Payによる送金・決済サービス,FOLIOによる資産運用はすでに事業化されており,その他に仮想通貨,ローン,保険なども取り扱っていく予定をしています.
- AI
ディスプレイ付きスマートスピーカー,デバイスプラットフォームをオープン化,音声認識強化を行っていく方針です.
キーポイント
- Fintech
上記しましたが,アクティブユーザー数が急減するフェーズに入る前に新たなサービスアプリとしてのポジションを確立する必要があります.現在LINE Payは非常に順調に推移します.
2017年の決済高は4500億円を超え,まだまだ拡大傾向にあります.JCBと提携したことで国内外3300万店舗で使用可能になったことに加え,日本でのQR決済普及に全力を注いでいます.中国では現金がもうほぼ使われず,ほぼすべての店でQR決済可能であることをご存知ですか?中国でのQRコード決済を普及させたのはアリババですが,LINEは日本のアリババになろうとしています.3年間は導入コストゼロ,手数料ゼロで展開する方針を掲げており,すぐに利益で成果が出るわけではないですが,デファクトスタンダードになれさえすれば,その後確実に利益をあげることができます.
投資や仮想通貨も今までは専門性が高く,接点が少なかったために大多数にはあまり浸透していませんでしたが,LINEという普段使用しているアプリが接点となることで今まで興味を持っていなかった層が始めるきっかけとなり得ます.
まさにここからの3年間が成長を遂げるか衰退していくかの岐路で,一番の正念場だと思われます.
LINEは就職先としてあり?なし?
- 勤務地
基本的に採用勤務地は東京本社になります.
また,一部では関西で働きたい方を対象にして,京都研究所を設立しています.
- 将来性
アクティブユーザー数が莫大なので,5~10年は確実に大丈夫でしょう.その後は確実にチャットアプリとしての地位は無くなると思います(少なくとも日本以外では)ので,Line Financeが成功するか否かで成長できるか,ゆっくりと衰退していくかが決まります.現状Line Payを本気で流行らせにかかっており,使ってみた印象として非常に使いやすいので期待はできると思います.
- 年収
715万円
- その他
新規事業の立ち上げに興味がある方or日本全体に影響を与えたい方にはありかと思います.
これから様々な新規事業を立ち上げることが予想されますので,早めに入っておけばその責任者を任せてもらえる可能性があります.また,日本ではLINEほど大人数に発信できるアプリは他にありません.そういったプラットフォームの開発やデータ利用に興味がある方には,ここ以上の企業はないでしょう.
将来性が危ないと思われるのも5~10年で,人の入れ替わりが激しいベンチャーITなら気にすることもないでしょう.
以上ご参考になれば.
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