【マツダの今後と将来性】エンジンとデザイン性で生き残れるか?EVが課題【企業分析】

マツダ

全モデルで統一されたデザインが特徴のマツダ.
個人的に大好き

就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!

マツダとは?

創業:1920年
売上高:3兆4,740億円
従業員数:48849人(連結)
本社:広島県

勤務地

本社は広島県の広島市付近の安芸郡に存在しています.
ここがマツダの最大の研究開発拠点&生産拠点なので,基本的な勤務地は広島になる可能性が高いです.
その他に,横浜にR&Dセンターや山口に生産拠点があります.
少し調べたましたが,横浜のR&Dセンターが何をしているのか謎.
多分東京よりにあるので,情報系や先進運転技術の開発なのではと推測します.

事業情報

以下のグラフは特記していない限り「アニュアルレポート 2018」より引用しています.

マツダの事業内容は自動車のみです.
マツダの売上高・営業利益推移を見ていきましょう.
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売上高は上昇基調であり,ようやくリーマンショック以前の水準まで復活しました.
営業利益は去年より16.5%増加しましたが,それでも営業利益率は4.2%にとどまっています.2017年で営業利益がかなり下落してしまっていますが,これは為替の変動で大きな影響を受けています.特にマツダは海外売上比率が高いので,その影響が顕著に現れます.マツダの販売比率は以下のようになっています.
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なんと87%が海外販売です.これは自動車メーカーの中でもトップクラスです.

自動車会社の営業成績は為替の影響を強く受けるため,販売台数で吟味したほうがよいことが多いです.マツダの販売実績は以下のようになっています.
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非常に順調に販売台数が伸びていることが分かりますね.その成長を牽引しているのは,欧州・中国・その他なようです.

マツダのそれぞれの市場でのシェアを見ていきましょう.
日本:4位.5.0%.17万台
中国:?位(日系4位).1.1%.31万台
北米:13位(日系5位).1.7%.28万台
ドイツ:15位(日系3位).2.0%.6.8万台
タイ:7位(日系7位).5.9%.5.1万台
オーストラリア:2位(日系2位).9.8%.11万台
シンガポール:3位(日系3位).9.3%.0.85万台
以下のサイトよりまとめました.
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さすがに日本の3大自動車メーカーに対しては売上高が1桁落ちるので,シェアはパッとしません.しかし,その3大メーカーの次点ポジションを確保しているところが多く,場所によっては一部抜かしています.4番手争いではマツダが優位なのではないでしょうか.

マツダの強み

  • 海外売上比率が高く,かつ,1つの地域に傾倒していない

上記でも説明しましたが,海外での販売台数比率が自動車会社の中でもトップクラスです.また,その比率も全地域に満遍なく分散させることに成功しており,一カ国の政治情勢で大きく販売量が変化する心配がありません.極めて安定した経営が可能だと考えられます.

  • 内燃機関技術が世界トップ

マツダはエンジン技術が世界トップクラスです.ガソリンエンジンにおける圧縮着火の実用化に世界で初めて成功し,燃費性能を30%改善する見込みです.2019年より市場投入されていく予定です.

もともとロータリーエンジンなど,エンジン分野では先進的な役割を果たしています.というのも,マツダはエンジン車がなくなるはずはないという思想のもと,エンジンに資金を集中しています.3大メーカーに比べて資金力が乏しく,EV関係と合わせてどっちつかずになるよりはという経営戦略でしょう.まさにその戦略が功を奏し,エンジン分野で絶大な成果を出しています.こういった面が評価されたため,トヨタとの業務資本提携に成功しています.

  • デザインがかっこいい

完全に個人的な意見ですが,日本のメーカーの中では一番好きです.
マツダのデザインは魂動デザインと呼ばれており,以下の思想が組み込まれてます.
クルマに命を宿す、デザインの力。生命感をカタチにする、「魂動」。
クルマをただの鉄の塊ではなく、まるで生き物のように生命感を感じさせるものにしたい。

マツダの弱み

  • EV方面の技術が乏しい

これはエンジンに重点を置く経営戦略的に仕方がないと思われます.こちらの弱点を克服するために,トヨタとの業務資本提携を行っています.問題はトヨタがこの業務資本提携の見直しを図った場合に,エンジン技術だけで本当に生きていけるのか?という不安はあります.
トヨタとの業務資本提携がある間に,頑張って技術を学ぶ必要があるでしょう.

  • 資金力が乏しい

規模が大きくないので,あまり資金力がありません.

マツダの今後

中期経営計画から見る今後の施策

  • トヨタ・マツダ・デンソーによるEV開発の共同会社設立
  • 2019年に次世代エンジンを搭載した車両を投入予定
  • 2021年にトヨタと共同で米国に工場を新設予定
  • コネクティッド・先進安全技術を含む次世代の領域でのトヨタとの協業
  • 次世代デザイン

などがあります.気になったものをピックアップしていきます.

キーポイント

  • マツダの次世代デザイン

魂動デザインを開発したのは2010年で,そろそろ新しいデザインが求められています.そういった中,マツダはマツダvison coupeを発表しました.
魂動デザインのおかげでブランド価値が回復し,急成長を遂げているマツダです.今後,マツダが成長していく上で「デザイン」は非常に重要な役割を果たしていくと思われます.ホームページを見た限り,この次世代の車両もものすごくかっこいい(今の魂動デザインを格好いいと思う人が格好良いと思える)ので,期待できるのではないかと思われます.

  • コネクティッド・先進安全技術を含む次世代の領域でのトヨタとの協業

こういった領域はどんどんトヨタと協業していくべきだと思います.いくらエンジンやデザインが優れているといっても,利便性が他メーカーより劣ってしまっては購入候補にはあがりません.エンジンやデザインを尖った魅力として磨いていきつつも,その他のレベルはその時その時で求められる最低限を維持していく必要があります.今のところ,自前主義にこだわらず正しい経営戦略ができているのではないかと思います.

マツダは就職先としてあり?なし?

  • 勤務地

基本的に広島県の広島市近郊
横浜にも一応R&Dセンターがあり,山口に生産拠点もある.

  • 将来性

現状として,魂動デザインがヒットし良い成長を遂げられています.また,最新技術にかんしてもトヨタと協業するという正しい経営判断ができているので,少なくとも10年は安心だと思います.その後の動向はマツダがいかに最新技術を手に入れ,トヨタとの協業に依存しすぎない関係を築けるかにかかっています.

  • 年収

3大自動車メーカーに比べれば劣ります.三菱・スバルと同じぐらい.

  • その他

マツダにはインターンシップに行ったことがありますが,他メーカーと比べて自車製品が本当に好きという方が多かったです.それだけ熱意のある方も多く,雰囲気が非常に良かったです.

広島県に住むことができ,エンジン車に積極的に取り組んでいきたいorマツダ車が好きな方にはありかと思います.

以上ご参考になれば.

他の企業はこちらから.
www.atoq.tokyo

*1:自動車産業ポータル MARKLINESより

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