【三菱電機の今後と将来性】高い利益率とFAに強み【企業分析】

三菱電機

憎いね!三菱!
でお馴染みの三菱電機ですが,果たしてその実力はいかがなのか.

就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!

三菱電機とは?

創業:1921年
売上高:4兆4311億円(連結)
従業員数:142,340人(連結)
本社:東京

勤務地

三菱電機の勤務地は全国各所で,各事業所ごとに異なります.
本当に全国各所にあるので,自分の行きたい事業所の情報を調べることをお勧めします.
・宇宙事業→鎌倉
・エレベーター・制御装置→名古屋
・研究所→兵庫
などなどです.希望しない限り基本的に転属はなく,就職する際に事業所ごとに採用を行うので,
希望する勤務地につくことが可能です.

事業情報

以降のグラフは特記していない限り,「三菱電機アニュアルレポート2018」からの引用です.

三菱電機はコングロマリットであり,様々な事業を取り扱っています.

  • 重電システム(タービン発電機,パワーエレクトロニクス機器,エレベーター,ビル管理システム等)
  • 産業メカトロニクス(プログラマブルコントローラー,インバーター,サーボ,産業用ロボット,カーメカトロニクス製品等)
  • 情報通信システム(無線通信機器,人工衛星,ネットワークセキュリティーシステム等)
  • 電子デバイス(パワーモジュール,液晶表示装置等)
  • 家庭機器(エアコン,冷蔵庫,電子レンジ等)
  • その他(資材調達,不動産,金融等)

三菱電機の売上高,利益率推移及び,セグメント比率は以下のようになっています.
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売上高は微増あるいは横ばい気味であることが分かります.
一方で,利益率は微増感があり,7.2%を記録しています.
この値は大手電機メーカーの中でもトップです.
それだけ三菱電機が効率の良い経営をしていることが表れています.
裏を返せば不採算部門はどんどん切ってきた・・.
人事の方が仰っていましたが,わざわざ利益率の低い分野で無理して稼ごうとは思っていない,とのことです.
なので,興味のある事業が不採算部門(利益率の低い部門)の場合はよくよく考えましょう.

セグメント別の売上高,利益推移は以下のようになっています.
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これらから分かるように,三菱電機の高い利益を牽引しているのは産業メカトロニクス分野です.
営業利益の60%程度を稼ぎだしています.驚異的ですね.
この分野は安泰でしょう.

三菱電機の強み

三菱電機の強みは

  • インフラを取り扱っていること
  • 利益率が高いこと
  • 事業領域が多岐にわたること
  • FA(ファクトリーオートメーション)に強み

などが挙げられます.
他社競合で考えれば,シーケンサ(プログラマらブルコントローラ)は国内では過半数以上のシェアを獲得しています
シーケンサは装置制御から安全・情報・計装制御まで,設備管理に欠かせない装置のことです.
宇宙事業を手掛けていることも他の大手電機メーカーにはない特色と言えるでしょう.

三菱電機の弱み

三菱電機の弱みは

  • シェアが1位のものが少ない

ということが挙げられると思います.上記したシーケンサも世界市場でみれば,Siemens,Rockwellに次ぐシェア14%の3位になります.

とはいっても,これは仕方がないことかもしれません.
機器の性能が圧倒的に良い場合には,自動的にシェアもそれに伴って1位になりますが,
性能が他社製品がかけ離れて良いなんていうことは滅多にあることではなく,
基本的には,シェアをあげる⇔価格を下げる⇔利益率が下がる,関係が成り立ちます.
したがって,三菱電機は敢えてシェアを追わず,利益率を追い求めている可能性があります.

三菱電機の今後

中期経営計画から見る今後の施策

「三菱電機の経営戦略 2018年5月」を参考にしています.

「強い事業をより強く」「技術シナジー・事業シナジーを創出」という大手電機メーカーならどこでも言っているようなことを言っていますので,
とりあえず全ての事業に分散投資していくのは間違いないでしょう.

特筆して示すとすれば,産業メカトロニクス分野において,自動運転関連製品とIoT関連製品をどれだけ他社より早く優れた製品を作り出せるかで結果が大きく変わってくると思われます.

キーポイント

  • Maisart

三菱電機が開発しているAI技術ブランドです.電子ミラー向け物体認識技術やAIを用いたインテリジェント無線通信技術への応用が期待されています.
自動運転関連に関しては,制御方面でノウハウをより蓄積している電機メーカーが優位です.
この優位性を活かしていかに良いAIを作製し,車両メーカーに採用させるかが利益を大きく左右します.

  • e-F@ctory

工場の生産設備のインテリジェント化を行うトータルソリューション提供です.
インテリジェント生産関連市場規模は2020年に4兆円,2030年に8兆円に到達すると見込まれており,ここで他社より優れたソリューションを提供できるかが大事になってきます.
現在すでにパートナー提携で610社と提携を行っており,確実にノウハウをため込んでいるところです.また,投資も積極的に投資も行う予定(2018年度に2300億円)で,中核事業としての位置づけが成されています.

三菱電機は就職先としてあり?なし?

個人的にはありだと思います.

まず勤務地や事業でいえば,事業所採用を行っているので,勤務地ややりたい事業を選ぶことができるので,ここに不満を覚えることはなく良いと思います.
行きたい勤務地と事業所がマッチしていれば尚更goodですね.
サーボやシーケンサー製造している事業所は名古屋市にあり,メーカーの工場としてはかなり都会よりにあり良いと思われます.

注意点としては,事業所がしっかり利益を出している事業か,会社にとって重要な事業かを見極めましょう.
三菱電機は特に経営の合理化が得意なので,業績の悪い事業所はそのまま売られかねません.
それに伴ったリストラや配置転換は結構つらいものになると思いますので.

また,年収は大手電機メーカーのなかでは低めだそうですね.

以上ご参考になれば.

他の企業はこちらから.
www.atoq.tokyo

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