【村田製作所の今後と将来性】IoTによる需要拡大で絶好調か【企業分析】

村田製作所

関西に本社がある会社で,
電子部品に強い国内有数のメーカーです.

あまりBtoC商品を取り扱っていないため,
知名度はそこまで高くありませんが,
今後どのような成長を遂げていくのでしょうか?

就職先としてどうなのか見ていきましょう!

村田製作所とは?

設立:1950年
本社所在地:京都府長岡京
売上高:1.135兆円
従業員数:(連結)59,985名 (個別)7906名
事業内容:ファンクショナルセラミックスをベースとした電子デバイスの研究開発・生産・販売

本社が京都にあるのがまず特徴ですね.
企業時価総額で見た場合,関西系企業4位に位置しています.*1
研究開発を行う事業所も,横浜(神奈川),厚木(神奈川),野洲(滋賀),八日市(滋賀),長岡(京都)と関西に多くあることが分かります.
地元が関西にある方には朗報です.

以下のグラフは特記していない限り,「Murata reoprt 2017」より引用しています.

村田製作所の強みは何といっても,
複数の部品で凄まじい世界シェアを有している点です.
例えば,

  • スマートフォンやカーエレクトロニクスで必ず使用されるチップ積層セラミックコンデンサ(世界シェア40%)
  • 信号を選択的に取得する表面波フィルタ(世界シェア50%)
  • カーエレクトロニクスで使用されるタイミングデバイス(世界シェア75%)


などその他にも沢山の電子部品を生産しています.

また,売上比率が非常にグローバルです.
f:id:k-true:20170902172409p:plain

なんと日本の売上比率は8.4%しかありません.
そのため,日本の景気に左右されず非常に安定した経営基盤を有しています.
ただし,逆に為替の影響を受けやすいため,2016年は前年度よりも大きく売上高を落としています.
f:id:k-true:20170902172843p:plain
しかし為替の影響が強いため経営が傾いたと判断する必要はないと思われます.

また,用途別の売上高比率も公開されており,見ることができます.
f:id:k-true:20170902173253p:plain
通信分野(スマートフォン事業)が非常に強いことが分かります.
実際,iphoneに搭載されている電子部品の何割かは村田製作所由来という話もあります.

逆に弱みとしては,
コンデンサおよび通信モジュールに売り上げが偏りすぎということが挙げられます
f:id:k-true:20170902180830p:plain
これではこの部門の製品で他社に追い越された場合,
売上高が急に減少してしまうので懸念点の1つとして挙げられると思います.

村田製作所の今後

中期構想2018において,
売上高年率5~10%成長を掲げています.
この目標を達成するために,成長戦略として3つが掲げられています.

  • 通信市場での競争優位の追求

モバイル通信を中心とした当社が得意とする市場において、シェアを維持するだけでなく、新たな付加価値を提供することで競争優位性を保ち拡大を図っていきます。

  • 注力市場での事業拡大

すでに事業実績のある自動車に加え、エネルギー、ヘルスケア・メディカル分野を今後当社が注力していく市場として、新たなビジネスモデルや顧客価値を創出することにより、市場の多様化と成長を図っていきます。注力市場へのアプローチとしては、参入シナリオを明確にしたうえで、ムラタらしさが発揮できるビジネスを展開していきます。

  • 更なる長期を見据えた市場開拓

IoT(Internet of Things)社会に対する顧客ニーズが広がりを見せています。当社は拡大するニーズに対して、センサや通信技術を融合した新たな価値提供の実現に向けて取り組んでいきます。

要はこれまで通り頑張ります!+IoT分野新しく頑張ります!ということですね.

これからは産業界全体でAIを利用した自動化に伴って,ますます旺盛なエレクトロニクス部品の需要が見込まれます.

そのため,村田製作所もこの波にうまく乗っていくことができればより成長していくことができるでしょう.しかし,ここで懸念点となってくるのは中国および韓国企業の台頭です.今でも村田製作所の技術レベルに近い製品をより安価に供給しています.もし今後,さらに中韓企業が力をつけて村田製作所と拮抗することになれば,価格競争力で劣る村田製作所は厳しい戦いを迫られると思われます.

よって,今後とも着実に技術革新を続け,技術的優位性を確保し続けることが大切になってくるかと.そのために必要なのは人材や設備となりますが,日本での人手不足は今後深刻なものとなり,エレクトロニクス分野に進む人も少なくなります.

したがって,積極的な海外での人材登用を行うため,海外に研究開発拠点をより多く建設することが予想されます.

就職先としてあり?なし?

私はどちらかといえば安定志向であり,数年なら良いものの,あまり海外勤務や異動はしたいとは思っていません.

こういった私個人の価値観ではなしだと思います.

まず,国内で言っても研究開発拠点が関西,関東に2分されていること,さらに工場,営業所に関しては全国各地に散っています.

自分の希望通りの勤務地に配属されるような制度が整えられていればよいと思いますが,会社の都合でそんなことはあるはずもなく,異動がよく迫られると思います.

また,今後は海外との技術交流と称して,海外勤務も多くなってくることが予想されます.それが果たしてどれくらいの頻度で起こるかは分かりませんが・・

逆に技術を追い求めていきたい方にとっては非常に好ましい企業かと思われます.間違いなく世界最先端の研究を行っていく企業であり,既に海外開発拠点も複数有しているので,研究する環境としては非常に優れていると言えます.

また,平均年収は700万と言われており,大卒に限れば優に1000万を超えてくるでしょう.海外勤務も含めれば高給取りとなることが可能だと思われます.

以上,ご参考になれば.

他の企業はこちらから
www.atoq.tokyo

*1:「東洋経済 時価総額でみる「関西企業200社」ランキング」より

Copied title and URL