【東京メトロの今後と将来性】本当に安定なのか?上場はいつ?【企業分析】

東京地下鉄株式会社

東京に来たことがある人で乗ったことのない人はいないのではないでしょうか??
東京の交通網を担う大企業です.

私鉄希望の就活生が多い中,こちらを第一希望においている人も多いでしょう.きっと皆さん東京で働ける&安定性に魅力を感じているのでしょうが、実際のところこれからの東京メトロはどうなっていくのでしょうか?ほんとに安定なのか?そんな東京メトロの今後について見ていきましょう.

東京メトロとは?

東京メトロは正式名称「東京地下鉄株式会社」であり,
平成16年に特殊会社として発足しました.

特殊会社とは国策上必要な公共性の高い事業ではあるが、行政機関が行うよりも、会社形態でこれを行う方が適切であると判断される場合に設立される会社のことです.
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案外発足したのは最近なんですね!
売上高:3,757億円
従業員数:9,289人
資本金:581億円
株式:政府(53.4%),東京都(46.6%)

上場はいつなのか?

なんと現在は全株式を政府と東京都が保有しているという株式会社とは名ばかりの企業です.公的企業ですね.上場はかねてから予定されており,平成34年度までに政府保有株式が売却されることが決定しています.上場すると年収は確実に上昇すると社員から言われていますね.

事業情報

事業は
1.旅客鉄道事業の運営
2.関連事業の運営
 -流通事業(駅構内店舗,商業施設の運営等)
 -不動産事業(オフィスビルの賃貸等)
 -情報通信事業(光ファイバーケーブルの賃貸等)
となっています.

1.旅客鉄道事業の運営

は花形ですね.

  • 銀座線(14.3km)
  • 丸の内線(27.4km)
  • 日比谷線(20.3km)
  • 東西線(30.8km)
  • 千代田線(21.9km)
  • 有楽町線(28.3km)
  • 半蔵門線(16.8km)
  • 南北線(21.3km)
  • 副都心線(11.9km)

なんと総路線距離195.1kmを運営しています.
しかも車両数は2,728両
東京の地下にこんなに長大な距離の地下鉄が走っていたんですね!

そして一日の輸送人員数は707万人
ちなみに東京都の23区内の人口は930万人です.
え,往復分を考慮しても350万人が乗っているわけです.
23区の3人に1人は乗っている計算です.
やべぇええええええええ

2.関連事業の運営

  • 流通事業

「Esola」「Echika」「Echika fit」「Metro pia」などの運営ですね.
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ある程度大きいメトロの駅で降りたことがある人は目にしたことも多いでしょう.
こうした事業も外部に委託するのではなく企業内で運営していたのですね.

ちなみにEchikaは「E(いい)」「chika(チカ)」という意味だそうです(笑)
キャッチフレーズは「ちょっといい ちょうどいい 地下の街」

  • 不動産事業

東京メトロ沿線を中心にオフィスビル,ホテル,住宅,ゴルフ練習場などを展開しています.
沿線を活性化させることで鉄道事業とのシナジー効果を期待しています.
渋谷ヒカリエや渋谷マークシティの一部などを運営しています.
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  • 情報通信事業

東京メトロ構内で使用可能な無線LANサービスや車内や駅構内の広告を取り扱っています.
広告効果が非常に高いことから多くの収益をあげることができています.

東京メトロの今後

東京メトロは中期経営計画として
東京メトロプラン2018~「安心の提供」と「成長への挑戦」~
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を発表しています.
こちらを読み解きながら東京メトロの今後を予想していってみましょう
2016~2018年設備投資額は4200億円と予定されています.
売上高3800億円からすればものすごい額ですね.東京メトロのやる気が伺えます.

安心の提供

  • 震災対策

実はすでに震度7クラスの地震にも耐えられるよう補強は完了しています.
これからは復旧スピードを速めるために,石積みを追加したりと補完工事を行っています.

  • 大規模浸水対策

出入り口に止水板や変電所等を保護するためのゲートを作製したりしています.
これらは2022年度に完成予定です.

  • 大規模停電対策

非常用走行バッテリーの車載を銀座線で2018年度,丸の内線で2022年度に完了させる予定です.
その他の路線に関してはすでに完了しているようです.

  • 異常時の体制の確立
  • ホームドアの整備

2018年度においてホームドア設置率を60%まで高める予定をしています.

  • 新型車両の導入
  • セキュリティ強化
  • 設備の更新
  • バリアフリー設備の設置

各路線の改善

  • 東西線の輸送改善

混雑率の緩和が喫緊の課題である東西線において,大規模な改良工事を行うようです.
たとえば,
折返し列車と後続列車の同時進行を可能とする列車増発
ホーム延伸による人の流れの改良
ホームの増設
を行っていくようですね.

  • 銀座線

よく広告されているように銀座線は浅草駅~上野駅間をリニューアルします
具体的には,
全駅の改装
ホームドアの設置
新型車両の導入
渋谷駅の移設工事
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新橋駅の大規模改良
各種イベントの実施
が予定されています.

  • 丸の内線,千代田線,有楽町線,南北線,副都心線

基本的に細かな対策が取られ,列車が増発される予定です.

成長への挑戦

  • 駅周辺の活性化
  • 街づくりとの連携
  • 関連事業の拡大
  • 海外鉄道事業の新たな展開

実は海外事業もJICA主導のもと取り掛かっています.
フィリピンのマニラおよびベトナムのホーチミン,ハノイに対し技術協力を行い,
海外でも東京メトロ式の都市鉄道を発展させるべく活動しています.
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  • 全駅での構内WiFiおよびナビサービスの展開

様々な計画を立てていますね.
正直,この計画通りに行けば何も心配することはありません.
まだまだ成長していくことでしょう.
しかし就職する上での不安材料がないわけではありません.

就職する上での不安材料

間違いなく首都直下型地震です.
計画書内では地下鉄が崩落することはないと報告されていますが,
実際のところはわかりません.
というか上下の地盤の影響や別の場所が崩落した場合は地下鉄も同様に影響を受けるので,
崩れないはずがありません.
この場合相当厳しいダメージを受けることになります.

また,深刻なレベルで首都圏がダメージを負った場合,
一時的に大阪や名古屋に首都機能が移される可能性があります.
その場合,東京から大阪や名古屋に人口が流出し,
予定されていたより早めに人口減少期に入ります.

こうなった場合,給与や人員の削減が始まり相当厳しい経営状況となっていくでしょう.

また,東京メトロは他の鉄道事業者と異なり,あまり土地を持っていません.
そのため,大幅に成長できる見込みはあまりありません.
緩やかな成長を続けるだけで,景気の良し悪しとは無縁です.
よくも悪くも公務員的なところがあり,仮に日本の景気がめちゃめちゃ良くなり
友人がボーナスいっぱいでた!!と言っていたとしても
ここに勤めている限りそれは見込めません.

結局就職先としてあり?なし?

結局,就職先としてありなのかなしなのかというと
あり
でしかありません.

そりゃみんな受けますわ(笑)
不安材料で書いたシナリオは本当に最悪の場合であり,憂慮すべきほどの確率ではありません.
間違いなく安泰で,東京の地下鉄網を作っているという誇りを持てます.

最強の企業だと思います.
ただし,転職サイトの口コミサイトを見ている限り,
毎日同じことの繰り返しでつまらない
といった意見が多く寄せられています.

そのため,バリバリいろんなことをやってみたい!
という方にはおススメできません.

逆に今あるものをしっかりと守り,維持していきたいというどっしり型にはぴったりの企業です.

他の企業はこちらから
www.atoq.tokyo

*1:wikipediaより

*2:東京メトロホームページより

*3:東京メトロホームページより

*4:「東京メトログループ中期経営計画 東京メトロプラン2018」より

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