【東京ガスの今後と将来性】ガス自由化・導管部門分離でどうなる!【企業分析】

誰もが知る大企業「東京ガス株式会社

2017年からはガス事業の自由化
2022年からはガス導管部門の分社化

と東京ガスにとって大きなインパクトを持つ出来事が待ち構えています.

これから東京ガスがどのように動いていくのか非常に動向が気になります.
今までは超が付くほどの安定大企業であったがこれからは一体どうなるのか?
しっかりと見ていきましょう

Sponsored links

東京ガスの概要

東京都都市部とその隣接区域(関東地方1都6県の主要都市)を営業区域とする一般ガス事業者。総延長約6万kmのガス導管を持ち、都市ガス事業者として世界最大規模、日本国内最大手である。*1

  • 売上高1.8兆円
  • 連結従業員数17000人
  • 平均年収:700万程度

正直圧倒的です.首都圏を中心にガス販売を行っている超優良企業です.

所有するLNG基地は

  • 根岸LNG基地
  • 袖ケ浦LNG基地
  • 扇島LNG基地
  • 日立LNG基地

と4つも持っています!

また天然ガス火力発電所は

  • 東京ガスベイパワー(10万kW)
  • 東京ガス横須賀パワー(24万kW)
  • 川崎天然ガス発電(84万kW)
  • 扇島パワー(122万kW)

とこれまた4つも持っています.

ガス供給も電力供給も両方こなす最強集団です.
正直,改正ガス事業法が制定される以前は東京電力が福島原発事故でこけたこともあり
最強のインフラ会社だったと思います.

チャレンジ2020年ビジョン

東京ガスを語る上でこれは欠かせません.
新卒採用サイトにも出てきていますよね.

チャレンジ2020年ビジョンとは2011年11月に制定された2020年までの行動指針・目標です.
ガス事業自由化やガス導管部門分離に備え,東京ガスが様々な今後の方針を打ち出しています.

  • 原料調達および海外事業の多様化・拡大

世界規模でのLNG需要の高まりが予想される中,安定的に低価格でガスを提供し続けるために

  • 非在来ガス(CBM・シェールガス)の調達事業参画
  • LNG調達事業参画
  • LNG船団の拡充

などを進めています.
具体的には,ダーウィンLNGプロジェクト,クイーンズランド・カーティスLNGプロジェクト,エネルギーホライズン号などの行動が行われています.

  • 海外でのLNGバリューチェーンの構築

海外においても積極的にLNG事業を行っていくようです

  • 地震,津波におけるエネルギー安定供給対策

日立基地を建設することによって,東京湾内だけではなく茨城からもLNGの供給を可能にしています.
また,中部地方・北陸地方のパイプラインと接続することで,緊急時におけるガスの融通をスムーズに行うように対策を行っています.

  • 分散型エネルギーシステムの普及・拡大促進
  • 地域およびホームでのスマート化

今話題の見える化を行うことによって,より省エネな環境構築を目指します.
HEMS(Home Energy management system)やBEMS(Bill energy management system)がこれにあたりますね.

  • 電力事業の300~500万kW達成

これは上述したLNG火力発電所を用いて電力供給の拡大を目指しています.
これはおそらく300万kWを無事達成できる見込みです.
2016年において,電力自由化により新規顧客50万人を獲得しています.

  • 再生可能エネルギー(バイオマス,風力発電事業)にも手を出し始めるようです
  • 売上比率をガス事業50%,海外事業25%,LNG販売,電力事業25%を目指す.

およそ以上のような行動指針が2020年ビジョンで示されています.
素晴らしいですね.およそ順調に達成できそうです.

Sponsored links

ガス小売全面自由化に際して

ガス小売全面自由化に対する東京ガスの取り組みを紹介しますが,
正直あまり有効策を打ち出せているとは思えません.
少しずつシェアを失っていくことは間違いないでしょう.

  • 託送料金平均単価は21.89m^3から20.64m^3と若干減少しました.
  • ガスの安定供給と普及拡大,拡大料金の低減とCSの向上
  • 「技術本部」,「原料・生産本部」,「海外本部」,「電力本部」の新規設立
  • 不動産部門管理のため「東京ガス不動産ホールディングス」の設立

全体的に今までの旧態依然とした意思決定の遅いプロセスを払拭するために
各部門を明確に分けて機動力を高めようとしていますね.

日本でのガス売上が減少することは間違いなしとして,
事業の多様化,海外事業の促進を活発化させています.

ガス導管部門分離に際して

そもそもガス導管部門分離とはなにか?

これはガス小売全面自由化に対して,託送料金の中立性を保つために行われるガス導管部門の分社化です.
要は現在東京ガスが導管部門を握っているため,東京ガスの託送料金のみを安くし,それ以外の事業者の託送料金を高くするといった不平等性をなくそうという試みですね.
これは2022年に予定されています.

正直,これは就活生にとっては非常に大きな問題です.
いままで超安泰と言われてきたのはガス導管部門があったからであって,この部門がなくなれば単なる小売業者に成り下がります

今まで通り超安泰な生活を目指す就活生は何としても,ガス導管部門に分社化される部門を目指しましょう
今でいえばパイプライン技術部門でしょう
ここに全プッシュです(笑)

ただ正直,このガス導管部門分離はなんだかんだ形骸化する可能性が否めません.
そもそもこのガス導管部門分離って東京ガスなどの大手ガスにとってするメリットが全くないんですよね.

政府が無理やり国民に対するパフォーマンスのためにごり押しで成立させた法案にすぎません.
国はこの法案を通させてくれたお礼として,内部でどんな調整がなされるかわかりませんが,どうにかして東京ガスのみ優遇することが可能な法律にはなっていると思います.

まぁ一番考えられるのは使用ロットが多いほど安くするとすればいいですよね
あと20年くらいは特に心配する必要はないのではないでしょうか

Sponsored links

東京ガスの今後

これからは電力事業や海外事業が比率を増やしていき,ガスでの売り上げ減分を補う形になっていくでしょう.
正直まだまだ安泰であることに変わりはないです.

というか1兆円規模のインフラ企業が消滅しちゃうはずがないです(笑)
ここがつぶれるようなことがあったら日本はそれこそ終わりです.

東京電力・中部電力連合との激しい戦いが待ち構えているのは待ち構えていますが,
東京ガスも九州電力などと連合を組む予定ですので,
全国で2~4の巨大グループが出来上がってこの自由化は収束すると思います.

より個人的な意見を言わせて貰えば,
人口が減少していくなかで,自由化による競争を促すのはバカげていると思います.
今後少なくなっていく需要を各社で取り合ってジリ貧化していくことが目に見えています.

初めは自由化によって予定されたコスト減の効果が表れると思いますが,
長期的に見れば安定性の欠如のつながります.
どうしてこんな政策をとったのか理解に苦しみます.

正直なし?あり??

個人的にいえばありです.
やはり首都圏のエネルギー事情を支えているというのはとてもやりがいがある仕事だと思います.
また,給料も大変よく,首都圏で働けるのは素晴らしいですね!

自由化後も事業の多様化で乗り切っていけるだけの体力はあるでしょうから全然問題ありません.

問題となるのは,それに伴って配属先が転々としてしまったり転勤が増えてしまうこと

転勤が嫌な方にはもうおススメできない企業になってくるかもしれませんね・・・

逆に転勤も容認できる方でエネルギー業界に興味がある方はここで間違いなしではないでしょうか!

他の企業はこちらから
www.atoq.tokyo

*1:Wikipediaより

Copied title and URL