トヨタ
日本が世界に誇る日本最大の自動車メーカー.
就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!
トヨタとは?
創業:1937年
売上高:30兆2256億円(連結)
従業員数:364,445人(連結)
本社:愛知県
勤務地
トヨタ自動車の勤務地はその名の通りほとんどが愛知県豊田市です.
研究所が静岡県新富士や東京区内に存在しています.
区分としては,東京区内の研究所がAI関係で,新富士がそれ以外といった感じになっています.
研究者や営業以外は豊田市勤務になります.
部署異動はあっても,国内であればその部署も豊田市内になりますので,一生の大半を豊田市で過ごすことになります.
田舎で過ごすことに抵抗がない人であればOKでしょう.
トヨタに行ったらモテルと思いきや,周りがトヨタの人しかいないから結局モテない人はモテない現象があるとかないとか・・
事業情報
以下のグラフは特記していない限り,アニュアルレポートより引用しています.
トヨタの事業内容は以下のように分けられています.
- 自動車(27兆790億円)
- 金融(2兆1535億円)
トヨタファイナンシャルサービス株式会社によって,自動車ローンやリースを中心とした金融サービスを提供しています.
車の情報化サービスを提供するのもこの分野に入っています.
例えば,Uber Technologiesとの協業を開始し,ライドシェア事業を始めたのはここの分野です.
- その他(1兆6763億円)
トヨタホーム等がこのセクションに当たります.
自動車が90%を占めています
自動車から見ると小さいだけで,金融やその他の売り上げも半端ないですね(笑)
まさに圧倒的です.間違いなく日本一.
トヨタの売上推移は以下のようになっています.
売上高はリーマンショック前の売上を更新し,2019年に初の30兆円台を記録しました.傾向としても増加傾向であり,留まる様子がありません.なお,売上高が大きく変動することの主要因の一つとして,為替の影響があります.為替は年で10%程度変動することがありますので,トヨタで言えばその影響は数兆円規模に上ります.近年の為替推移は以下のようになっています.
リーマンショック時は円高の影響も大きく,販売台数減以上に売上が落ち込んだことが分かります.一方で,近年の為替レートのボラティリティは低く,安定した商いができる環境であることが分かります.
トヨタの営業利益及び影響利益率推移は以下のようになっています.
営業利益に関しても同様に為替の影響を強く受けるため,トヨタの売上や営業利益を為替レートの変動抜きで議論する意味はあまり大きくありません.しかし,特筆するとすれば,そんな状況でも営業利益率5%以上を確保できていることですね.最近で赤字で陥ったのはリーマンショックの時のみで,4610億円の営業赤字を出しましたが,トヨタからすれば大きな損失ではありません.如何に経営が安定しているかが分かりますね.近年もメーカー平均と呼ばれる5%を大きく超える8%前後で推移しており,高い収益力を備えています.
上記したように,為替の影響を強く受けるので,販売台数で好調かどうかを判断するのが良いと言えます.トヨタの近年の販売台数推移は以下のようになっています.なお,販売台数とはトヨタグループ(連結.例えばダイハツ・日野を含む)が販売した台数であり,小売販売台数とはトヨタグループ(非連結含む)が販売した台数です.非連結の多くを占めるのは中国との合弁事業体ですので,小売販売台数と販売台数の差はおおよそ中国での販売台数と考えて問題ありません(2019年において,中国での販売台数は148万台であり,差:1060-897=163万台とおおよそ一致します).
まず,気になる方もいらっしゃると思うので先にお伝えすると,ダイハツ・日野の販売台数は2019年で103万台でした.ダイハツ・日野の地域別売上台数比率は記載がありませんでしたので分かりませんが,そのほとんどが国内であると考えられます.以上を踏まえて議論していきます.
販売台数ベースで言えば,近年は横ばいとなっています.一方で小売販売台数は増加傾向にありますので,中国での販売が好調であると言えます.中国は世界最大の市場ですので,その市場成長に伴って販売台数を伸ばしています.また,その他に近年の傾向を抽出すれば,中近東が減少傾向ある一方で,欧州,アジアが緩やかな増加傾向,その他は横ばいとなっています.なお,VWグループの小売販売台数は1083万台であり,わずかに後塵を拝しています.
トヨタの強み・弱み
トヨタの強み
- 世界中での販売力
元々トヨタは技術力というより販売力がすごいと呼ばれていた時期があります.それを表すように以下のような構成となっています.
販売台数は日本,北米,欧州,アジア,その他と満遍なく分散しています.
トヨタの各国シェアで言えば,
日本:1位45.9%(日系1位)
北米:3位14.1%(日系1位)
オーストラリア:1位(日系で1位)
欧州:?.例えばドイツで12位2.4%.(日系で1位)
中国:かなり下.4%ぐらい(日系で3位129万台.1位151万台:日産.2位144万台:ホンダ)
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上記のように中国市場以外では,他の日系自動車メーカーの追随を許していません.
圧倒的な販売力を誇っており,これはそのままトヨタの強みにつながっています.
その地域その地域に根付いた文化によって趣味趣向が変化するため,販売のアプローチは国ごとに異なってきます.
したがって,これだけ広い地域で大量の自動車を売ることができるというのは,それだけトヨタのマーケット調査力が高く,今までノウハウを築いてきたことを示しています.
- 資金力
圧倒的な資金力はそのまま強みです.
大量に稼いで大量に投資し,さらに大量稼ぐ.という好循環を生むことができます.
その資金力を活かして,自動運転を専門に研究するToyota Research Instituteなどを巨額の資金を投資して設立しています.
これは他の日系企業にはできず,唯一世界に対抗しうる技術力を獲得する可能性があることを示しています.
- Toyota Research Institute
トヨタが大量の資金を使ってガチで自動運転の開発を進めています.
この文言の破壊力がやばいですが,実際にその通りで,日本中の人工知能分野の精鋭をお金でかき集めているそうです.
日系で勝てるところはまずないでしょう.世界との開発勝負になっています.
- 全固体電池
リチウムイオンバッテリーよりあらゆる面で良い全固体電池の研究開発が世界で一番進んでいます.
全固体電池の特許出願数はトップであり,その基幹技術はトヨタが有しています.
2020年代前半に実用化を見込んでいます.
おそらくこのままいけば世界で初めて実用化するのはトヨタでしょう.
また,弱みに入る前に伝えておきたいことがありますが,
トヨタはEVに弱いと勘違いしている人が多数いると思いますが,それは間違いです.
現状は敢えて作っていないといったほうが正しいと思います.
ハイブリッド車はガソリン車とEV車の中間だというのはご存知だと思いますが,ハイブリッド車が技術的にEV車をカバーしていない部分はありません.
だって,エンジン抜いて充電器つければEV車ですもの.
そして,ハイブリッド車を世界で初めて量産化したのはどこか?
トヨタです.プリウスですね.
したがって,トヨタは決してEVに弱いわけではありません.
法律で求められない限り,現状の電池性能では作る必要がないと考えているのでしょう.
ですが,全固体電池が実用化されれば態度は一変して,EVを大量投入していくと思われます.
トヨタの弱み
- 中国市場の出遅れ
中国は世界最大の自動車市場です.
中国ではとりわけ法律の関係でEV車が求められています.
ここでのシェアは日系で3位と唯一後れを取っています.
この遅れの理由は中国企業との連携し始める遅さからくるものだと推測します.
日産やホンダはより早く中国市場に入り込んでおり,成果を上げてきました.
これからどのように巻き返していくかが重要になってきそうです.
トヨタの今後
今後の施策
- 自動運転開発
- EV開発
- FCVの継続開発
- コネクティッドカー
- Uberとのライドシェアリングサービス
など多数あります.ありすぎて訳が分からないので,気になったものだけピックアップします.
自動運転はTRIで開発され,ロードマップで実用化までの段階が示されています.
正直技術といより法律が律速になっているので,この話は詳しくは調べてください.
キーポイント
- コネクティッドカー
車載通信機「DCM」を2020年までに,日本・米国で発売する全車両に搭載する計画を立案しています.
DCMによって得られるビッグデータを活用することで,新たな情報サービスを提供する予定です.
例えば,災害時の通過できた道情報の共有や,故障診断を行うことができる予定です.
全然今では考えつかない便利なサービスもどんどん出てくるでしょう.
- Uberとのライドシェアリングサービス
トヨタはUberと協業して,自動運転技術を活用したライドシェアサービスの開発促進を行っており,5億ドルの投資を行いました.
Uberは配車サービスを行っている会社で,自動運転とのシナジーが非常に良いとされています.
今後の動向に期待できます.
トヨタは就職先としてあり?なし?
- 勤務地
主に愛知県豊田市.AI研究者であれば東京.その他の研究者は新富士.
- 将来性
あり.凋落する未来は今のところ見えません.
- 年収
メーカーの中ではトップクラス.なおAI研究者はかなり高額で採用されているとのこと.
豊田市の田舎具合に不満を覚えない方にはありかと思います.
やりがいに関しては言うまでもなく,トヨタ以上に世界に対して影響与えている企業はないと思います.
グローバルスケールの仕事に携わりたいという方にはおすすめです.
なお,就職活動では大学ごとに方式が異なるので,しっかり先輩の話を聞いて対策を行いましょう.
以上ご参考になれば.
自動車業界徹底比較!7社それぞれの強み・弱みと将来性・自動運転への取り組みは?
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www.atoq.tokyo
*1:自動車産業ポータル MARKLINESより